過去ログ - 【安価・コンマ】七つの家で聖杯戦争Ⅲ【募集系】6　二日目・夕方～ -SS速報VIP

過去ログ - 【安価・コンマ】七つの家で聖杯戦争Ⅲ【募集系】6　二日目・夕方～

↓ 1- 覧 板 20

842:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 21:46:07.52 ID:vVDi/OwXo

　　　　 |　　|　 |: : : : : : : :|　　 |/|: : : : : :|/|　　　　　　　　 |/|: : : : : :|　　　　　|　 |: : |
　　　　 |　　|　 |: : : : : : : :|　　 |/|: : : :　 |/| 　　｜　　　　　|/|: : : :　 |　　　　　|　 | : :|
　　　　 |　　|　 |: : : : : : : :|　　 |/|: : : :　 |/| 　　 ┼　　　　　|/|: : : :　 |　　　　　|　 |: : |
　　　　 |　　|　 |: : : : : : : :|　　 |/|: : 　　 |/| 　　｜　　　　　|/|: : 　　 |　　　　　|　 | : :|

以下略

843:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 21:48:54.36 ID:vVDi/OwXo

彼の才覚から生み出される、高山流水の巧みな調べは、冥界の王の心をも震わせた。

かつて彼は冥界から、生者の世界に住む后の姿を目にし、『生』の美しさに涙した。

以下略

844:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 21:53:15.27 ID:vVDi/OwXo

　晴れてエウリュディケをその手に再び取り戻した彼は、しかし彼女の顔を見ることはまだ適わなかった。

　ハーデスがつけた条件は、『冥界を出るまで決して振り向かず、前に進み続けること』

以下略

845:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 21:55:44.24 ID:vVDi/OwXo

　地獄の鬱屈とした暗闇を、彼らは一歩ずつ歩んでいく。

　彼らの行脚を、地獄の住人達の視線が貫く。

以下略

846:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 21:59:42.48 ID:vVDi/OwXo

　往路では、彼には音楽という道連れがいた。

　どんな恐怖も、どんな鬱屈も、彼の身体に触れることは無かった。

以下略

847:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 22:02:26.92 ID:vVDi/OwXo

　先刻彼は、ハーデスの前でこう唱えた。

　『死すべく生まれついた私達すべては、結局はあなた方の元へと帰るのです。ここが最後の家なのです』

以下略

848:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 22:04:23.93 ID:vVDi/OwXo

　地獄に住む亡者たちの視線は、なおも彼らに集中する。

　妻の手を握る、彼の手に力が入らなくなっていく。

以下略

849:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 22:07:51.18 ID:vVDi/OwXo

　どれだけ歩いただろう。最早意識も定かでは無い。

　視界は朦朧として足取りも覚束ない。最愛の妻の手を握っているかも分からない。

以下略

850:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 22:11:06.28 ID:vVDi/OwXo

　そんな、限りなく無限に近い時の流れの中――――

　唐突に、光が差し込んだ。

以下略

851:9 ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/07/07(火) 22:15:12.83 ID:vVDi/OwXo

　『エウリュディケ、……っ！』

以下略

1002Res/1105.87 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ