過去ログ - 電ですが、鎮守府の空気が最悪なのです
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207
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◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 16:54:41.59 ID:sLS4dz7v0
伊勢「早く日向に会いたいなあ。日向さえ来てくれたら、全部上手く行くような気がするのに」
電「どんな人なんですか? 日向さんって」
以下略
208
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 16:55:31.23 ID:sLS4dz7v0
伊勢「日向は私の妹なんだけど、起工日がほんの数日しか違わないから、歳は一緒なの。ほとんど双子みたいなものね」
伊勢「だから性能もほとんど一緒なの。違いは日向のほうが少しだけ足が速いくらいかな」
伊勢「その頃の日本って、まだ戦艦建造の技術が発達してなくて、なかなか世界水準を満たす戦艦が作れなかったの」
以下略
209
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◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 16:56:21.77 ID:sLS4dz7v0
ときどき伊勢さんはこうなります。溜まったものが溢れて吹き上がるように、誰彼構わず話したいことを延々と話すのです。
これも伊勢さんが誰からも話しかけられなくなった原因のひとつです。
話しているうちに、ずっと曇ったままだった伊勢さんの瞳がキラキラと輝き出します。その眼差しは私を見ているようで、その実、どこも見ていません。
以下略
210
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 16:57:13.66 ID:sLS4dz7v0
伊勢「日向がドジっていうのはね、あの子、爆発事故を起こしてるのよ。それも3回も」
伊勢「砲塔爆発が2回と、弾薬庫火災が1回ね。どれも沈んだっておかしくない大事故だったのよ」
伊勢「だけどあの子、そんなことがあった後もピンピンしてるのよ。日向は私と比べてすごく運がいいの」
以下略
211
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 16:58:02.85 ID:sLS4dz7v0
伊勢「それから私たち、2人とも小沢艦隊に配属されて・・・・・・」
電「あ、あの。伊勢さん・・・・・・」
夢中で話し続ける伊勢さんの瞳からは、いつの間にか、大粒の涙がこぼれ始めていました。
以下略
212
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 16:59:46.67 ID:sLS4dz7v0
伊勢「あ、あれ? おかしいな、調子悪いのかな、私・・・・・・」
電「伊勢さん・・・・・・きっと、お酒が回ったせいなのです。もう休んだほうが・・・・・・」
伊勢「待って」
以下略
213
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:01:07.79 ID:sLS4dz7v0
伊勢「そう、その後小沢艦隊ってところに配属されて、捷一号作戦に参加したの」
伊勢「だけど艦載機の生産が遅れちゃっててさ。私と日向に回してもらえる艦載機がどうしてもなかったみたいなの」
以下略
214
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:01:39.89 ID:sLS4dz7v0
とうとう、伊勢さんの声に嗚咽が交じるようになりました。
自分が泣いていることを再び忘れてしまったように、伊勢さんは涙を拭うことすらしません。
しゃくりあげて、息を詰まらせながら、それでも伊勢さんは必死になって話を続けようとします。
以下略
215
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:02:10.14 ID:sLS4dz7v0
伊勢「そう、北号作戦の前に悲しいことがあって・・・・・・結局、飛行甲板が取り外されちゃったの」
伊勢「とうとう艦載機は訓練でしか運用できなかったわ。私も日向も、すごく、すごく残念で・・・・・・」
伊勢「それで、北号作戦で、一緒の任務に着いて・・・・・・それから、それからずっと、日向と一緒だったの」
以下略
216
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:02:45.92 ID:sLS4dz7v0
伊勢「あの子は妹なのに、私より全然しっかりしてて、何でも上手くやれるの。私は1人だとダメ、何をやっても全然上手く行かないわ」
伊勢「だから、日向はずっと私と一緒にいてくれたのに・・・・・・ねえ、電ちゃん。日向はどこにいるの?」
もう、伊勢さんは笑っていません。目を真っ赤に腫らせて、ぼろぼろと溢れる涙は相変わらずです。
以下略
217
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:03:34.15 ID:sLS4dz7v0
電「日向さんは・・・・・・まだ未着任なのです」
伊勢「いつ着任するの? もうすぐ? すぐこっちに来るよね」
電「・・・・・・わからない、です。でも、きっとすぐ日向さんは・・・・・・」
以下略
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