過去ログ - 塩見周子「ガラスの仮面」
1- 20
29:名無しNIPPER[saga]
2015/07/09(木) 20:00:23.87 ID:Cvn5vNaQo

 「今ここに居る私も、いつもの速水奏じゃないかもしれないわ」

 「仮面舞踏会だから?」

 「仮面舞踏会だから」

酔ってるみたいに陶然とした口調で、くすくすと奏が笑う。
ひとしきり笑うと長く息を吐いて、顔を手で押さえた。

 「ねぇ。私が誰だか、判る?」

 「…………さぁ」

 「ふふ、付き合ってくれてありがと。それじゃあ改めて言うわね」

奏がグラスを置く。
シルバーに触れて、耳障りな音が微かに響いた。


 「シンデレラガールさん」


金の瞳が、愚直なほど真っ直ぐに私を射抜く。



 「私は貴女が羨ましいわ。悔しくって、妬ましいの」



見知らぬ女の子が、仮面を外した。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
52Res/33.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice