過去ログ - 和「私は……病んでいる人間です」
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51:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 21:36:20.97 ID:cXEvxDgx0
私はその場で棒立ちになり俯きました。そんな私を店の人たちが不思議そうに眺めていました。

私は胸の奥に何かが蠢くのを感じました。

ああ、今すぐ優希のところへ行って一万と五千……いえ、持ち金を全部渡してやります!
以下略



52:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 21:41:58.44 ID:cXEvxDgx0
しばらく経ち、目的の場所まで来ましたが、先ほどの気持ちが薄れ、やめようかという気持ちが沸いてきました。

こんなことは……でも、やりましょうか。
やってしまったほうがいい。いえ、結局同じことかもしれませんが、でもいいでしょう。

以下略



53:名無しNIPPER
2015/07/05(日) 21:50:52.12 ID:3WQibh1NO
なんだか引き込まれる文章だな


54:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 21:59:30.92 ID:cXEvxDgx0
どうしたものか、と考えようとしたところで、視界の端に見知った顔が入りました。

和「あ、憧……」

それは幼馴染みの新子憧でした。
以下略



55:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:02:50.37 ID:cXEvxDgx0
インターハイ以来でしょうか。何をしているのかおとさらもなかったのですが……。

しかしこの状態はお互いにとって気まずい状態でした。咄嗟のことだったので、つい流れで指名してしまいましたが。

憧「まさか和に会うとは思わなかったなあ」
以下略



56:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:11:30.85 ID:cXEvxDgx0
憧「うーん……プロは行けないし、大学も行く気がしない。巫女さんっていう気分でもないしね。
って、これじゃ怠惰な人だね。っま、やる気がなくなったのには原因があるんだけどね」

和「原因……?」

以下略



57:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:16:42.69 ID:cXEvxDgx0
麻雀で頭がいっぱいですか。うらやましい限りですね。私は……。

憧「それで惰性に任せてこの仕事にね。あ、勘違いしないでよ!
別にエッチ大好きでこんなことやってるわけじゃないから」

以下略



58:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:22:24.51 ID:cXEvxDgx0
和「いいえ、分かっていません。

こういう仕事は、ちやほやされるのは華があるときだけ……役立たずになったらゴミクズ扱いです。

私はそうなった人を何度も見てきました。若くて綺麗なうちはお客さんはいなくなったら困るとばかりに扱います。


59:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:23:29.25 ID:cXEvxDgx0
しかし歳がとって見栄えが悪くなるにつれ、客からもオーナーから、同僚からも悪口や暴言をはかれるようになるんです。こうなるともう邪魔物扱いです。
そして挙げ句には店から追い立てられて、どんどんと格の小さい店へと移ってゆき、最後には誰も知らないところで仕事も奪われるんです。

お客に聞いてみると、ああ、そんな人もいたね、という具合に存在も消えていくのです。どうです?これが現実なんですよ、憧」


60:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:27:40.68 ID:cXEvxDgx0
言い終わると、過ぎたことをぺらぺらと言ってしまったことに気付いて、途端に恥ずかしさで俯いてしまいました。

そもそもどうして私のような人間がそんなことを――?

呆れや羞恥、怒りを通り越して笑えてきます。
以下略



61:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:58:18.24 ID:cXEvxDgx0
憧の方を見ると憧が切なそうな表情をしていることに気づきました。

そうすると、これは悪いことにはなっていなかったのでしょうか。つまり心を打ったということに……?

憧「何だか……何だかその話は」
以下略



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