過去ログ - 和「私は……病んでいる人間です」
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56:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:11:30.85 ID:cXEvxDgx0
憧「うーん……プロは行けないし、大学も行く気がしない。巫女さんっていう気分でもないしね。
って、これじゃ怠惰な人だね。っま、やる気がなくなったのには原因があるんだけどね」

和「原因……?」

以下略



57:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:16:42.69 ID:cXEvxDgx0
麻雀で頭がいっぱいですか。うらやましい限りですね。私は……。

憧「それで惰性に任せてこの仕事にね。あ、勘違いしないでよ!
別にエッチ大好きでこんなことやってるわけじゃないから」

以下略



58:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:22:24.51 ID:cXEvxDgx0
和「いいえ、分かっていません。

こういう仕事は、ちやほやされるのは華があるときだけ……役立たずになったらゴミクズ扱いです。

私はそうなった人を何度も見てきました。若くて綺麗なうちはお客さんはいなくなったら困るとばかりに扱います。


59:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:23:29.25 ID:cXEvxDgx0
しかし歳がとって見栄えが悪くなるにつれ、客からもオーナーから、同僚からも悪口や暴言をはかれるようになるんです。こうなるともう邪魔物扱いです。
そして挙げ句には店から追い立てられて、どんどんと格の小さい店へと移ってゆき、最後には誰も知らないところで仕事も奪われるんです。

お客に聞いてみると、ああ、そんな人もいたね、という具合に存在も消えていくのです。どうです?これが現実なんですよ、憧」


60:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:27:40.68 ID:cXEvxDgx0
言い終わると、過ぎたことをぺらぺらと言ってしまったことに気付いて、途端に恥ずかしさで俯いてしまいました。

そもそもどうして私のような人間がそんなことを――?

呆れや羞恥、怒りを通り越して笑えてきます。
以下略



61:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 22:58:18.24 ID:cXEvxDgx0
憧の方を見ると憧が切なそうな表情をしていることに気づきました。

そうすると、これは悪いことにはなっていなかったのでしょうか。つまり心を打ったということに……?

憧「何だか……何だかその話は」
以下略



62:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:03:31.76 ID:cXEvxDgx0
しばらくお互いに無言でいました。私は帰ろうと思い、立ち上がりました。当然情事にふける雰囲気ではありません。憧を汚すのは……自分の本当に楽しかったときの思い出を壊してしまうようで……。

和「帰りますね」

憧は何も答えないので、私はそのまま帰ろうとしかけますが、私はふと思い立って財布から紙を取り出します。
以下略



63:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:05:52.15 ID:cXEvxDgx0
それから3日目になりましたが、憧はまだ私の家へ訪れてはいませんでした。

あるいは来ることはないのかもしれません。私は憧が来ないことに安心していました。

というのも、このみすぼらしい穴蔵はとても見せられたものではありませんでしたし、あの弁舌は思い返すと滑稽そのものだったからです。
以下略



64:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:07:44.65 ID:cXEvxDgx0
夕刻になっても、憧はまだ訪れませんでした。

憧はメモなんて破ってしまい、私のことを嘲笑しているかもしれない。そう思うと憎しみの念が沸いてきました。

ああ!私はなんてことをしてしまったのでしょうか。恥さらしもいいところです。


65:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:10:27.49 ID:cXEvxDgx0
そのときです。

ベッドの上で悶えていると、コンコンとドアが叩かれる音がしたのです(チャイムがあっても友人は来ないし、大抵訪れるのはセールスか、詐欺か、宗教関連だったので、チャイムはなくしたのです)。

私はドアを開けました。するとそこには憧が立っていました。
以下略



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