過去ログ - 和「私は……病んでいる人間です」
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64:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:07:44.65 ID:cXEvxDgx0
夕刻になっても、憧はまだ訪れませんでした。

憧はメモなんて破ってしまい、私のことを嘲笑しているかもしれない。そう思うと憎しみの念が沸いてきました。

ああ!私はなんてことをしてしまったのでしょうか。恥さらしもいいところです。


65:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:10:27.49 ID:cXEvxDgx0
そのときです。

ベッドの上で悶えていると、コンコンとドアが叩かれる音がしたのです(チャイムがあっても友人は来ないし、大抵訪れるのはセールスか、詐欺か、宗教関連だったので、チャイムはなくしたのです)。

私はドアを開けました。するとそこには憧が立っていました。
以下略



66:名無しNIPPER[saga sage]
2015/07/05(日) 23:15:48.26 ID:cXEvxDgx0
私は何も言わず憧を部屋の中に入れました。憧は緊張した面持ちです。

私は憧を椅子に座らせ、自分はベッドに腰掛けます。飲み物をだそうかと思いましたが、コーヒーも、ジュースも買うお金がないので何も置いていないことに気づきました。水をだすわけにも、いきませんよね。

憧「あはは……来ようか迷ったけど来ちゃった」
以下略



67:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:18:18.24 ID:cXEvxDgx0
憧はそう言いますが、私としては屈辱的なのもいいところです。

憧「でも麻雀のプロって儲からないんだね。シズのことがあってから余り麻雀見ないんだけど……」

和「私は一軍と二軍を行ったり来たりですから年俸も低いんです。上の人たちはそれこそ桁が違いますよ」
以下略



68:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:20:57.61 ID:cXEvxDgx0
憧「そういえば、咲とはどうなったの?」

和「……咲さんとは疎遠です」

卒業間際に告白して玉砕して、襲ってしまうような形になり……それから段々と壁ができてきて、宮永照への挑発以来、私は話しかけることが出来なくなったのです。
以下略



69:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:23:50.21 ID:cXEvxDgx0
和「何もかも壊れてしまったんです。始まりは咲さんとの一件、次はプロで散々叩かれて、父からは『やはり大学に行くべきだった』と言われて……全部全部、屈辱です」

涙が溢れるのを感じましたが、私は続けました。

和「私が殻に閉じ籠ると、友人もみんな私のもとから去っていったんです。
以下略



70:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:26:26.37 ID:cXEvxDgx0
独白する私をふと、憧は抱き締めました。

憧「かわいそうにね……誰も助けてくれなかったんだ」

その言葉を聞くと涙がとどめんばかりに流れてきました。
以下略



71:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:29:40.51 ID:cXEvxDgx0
和「帰ってください!私は……」

私は憧の手を引きドアのところまで連れていきました。憧は黙って連れられていきました。

私は憧を外へ出し、扉を閉めてしまいました。
以下略



72:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:34:05.92 ID:cXEvxDgx0
私は憧を外へ出してからしばらくドアに寄りかかり、ぼーとしていたのですが、突然深い後悔の念で胸が掴まれる気持ちがしたのです。

私は憧を探しに外へ出ていきました。

あちこちを探したのですが、憧は見つかりませんでした。私は家へ帰り一晩中泣いて過ごしました。


73:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:35:59.43 ID:cXEvxDgx0
私は翌日憧のいたソープランドを訪れました。

しかし憧はどうやら私がそこへ行った日にやめていることがわかりました。

憧の所在地も分からず私は途方に暮れ、家へ帰りました。
以下略



74:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/05(日) 23:41:06.50 ID:cXEvxDgx0
憧は私を憐れんでいた。それは純粋な気持ちでした。

私にまとわりつく猜疑心という悪魔が私を騙した。もう私は抜け出すことはできないんでしょうか?

全ては強がりのようなものなんです。
以下略



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