過去ログ - 提督「サービス終了の夜」
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8:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 16:59:56.10 ID:JeIiu/C70
大鯨「まさかこれから艦娘と結婚しようと考えた人がそれを知らないとは思いませんでしたから。すみません」

提督「謝ることはない。まあ、本部としても艦娘と提督が必要以上に深い関係になって執務に支障が出るのを恐れたのだろうな。だから、駆け落ちまがいのことをした時は本部もついに観念して認めてくれたのだろう」

大鯨「あの時は楽しかったですね。隠れ家を見つけて、朝はゆっくり起きて、昼間はガーデニングでもして、夜はふくろうの声に耳を澄ます。スパイ映画のワンシーンみたいでした」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:00:32.77 ID:JeIiu/C70
大鯨「もう拗ねないでください。そんなあなたと一緒になれて私は幸せです」

提督「それは、フォローになってるような、なってないような。いや、なってないな」

大鯨「今はそんな細かいことはいいじゃありませんか。それで、提督は、その」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:01:25.05 ID:JeIiu/C70
大鯨「………ん。………生まれたときはまさかこんな幸福を味わえるなんて夢にも思いませんでした」

提督「俺もそうだよ。昔は結婚なんて絶対にしないと心にしきりに誓ったものだ。よもや子持ちになるなんてもってのほかだった」

大鯨「いざ、そうなってみるとどうですか?」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:02:05.87 ID:JeIiu/C70
大鯨「嬉しいです」

提督「お前がいなくなっても、再婚はできないだろう」

大鯨「………いなくなる。そう、そう」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:03:05.08 ID:JeIiu/C70
大鯨「それはできません。本部はその点に関しては妥協しません。逃げられません。それに私も未練はありますが、それなりに覚悟はしています」

提督「………そうか。本部の連中もふざけやがる。後腐れをなくすための処置だと」

大鯨「ただ心残りはあの娘を置いていかなくちゃいけないことです」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:03:57.44 ID:JeIiu/C70
大鯨「今思えば、本部が私たちの結婚に反対したのは、ただ単に規律の問題ではなく、優しさからだったのかもしれません。子供が出来れば、いずれは必ず母無し子になるのですから」

提督「………後悔しているか?」

大鯨「いいえ、後悔なんてありません。私は提督の子供を産めて幸せです。まだあの娘がお腹にいたとしても、その母無しの運命を考慮しても、きっと中絶はしなかったでしょう」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:04:47.36 ID:JeIiu/C70
大鯨「………それでも、これからのことを考えると不安になって辛い、んです」

提督「大丈夫だ、大丈夫。娘は俺が立派に育ててみせる。幸い本部から金はたんまりもらっている」

大鯨「………う、ぐす」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:05:33.90 ID:JeIiu/C70
大鯨「あ、光が。………もう時間切れみたいです。ぐすっ」キラキラ

提督「粒子状になって消えていく………手を出せ、大鯨」

大鯨「………提督。どうぞ」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:07:30.25 ID:JeIiu/C70
大鯨「あの、提督、大鯨の最期のお願いを聞いてくれますか」

提督「嫌だ」

大鯨「………」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 17:08:16.76 ID:JeIiu/C70
提督「―――――本当に消えてしまったのか………? こんなにあっけなく………?」

提督「まるで夢心地だ。現実味がない」

提督「今日寝て明日起きれば、大鯨はひょっこりと現れて朝食を食べさせてくれるんじゃないか? そして、これは何か悪い夢だったと」
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2015/07/07(火) 17:09:45.63 ID:BBoxfD5yO
娘も消えてるってオチ


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