過去ログ - 京介「別れよう」 黒猫「え……」
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10:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 22:57:26.27 ID:ABn+E12Xo
その週の土曜日。
今週もうちに来ると黒猫から事前に連絡があり、俺はそれを止めたかったのについに制止する言葉が出なかった。
黒猫「こんにちは、一週間ぶりね」
京介「……ああ」
黒猫「どうかしたのかしら? 随分表情が暗いわ」
京介「大丈夫だよ、ちょっと昨日夜更かししてさ。飲み物を用意するから先に俺の部屋に行っててくれ」
黒猫「分かったわ。お邪魔します」
静かに階段を上って行く彼女を見送りながら、俺は暗澹たる思いに支配されていた。
麦茶を入れたグラスを手に部屋に戻ると、彼女は定位置であるベッドに腰かけて俺を待っていた。
黒猫「ありがとう、頂くわ」
俺も腰を落ち着かせ、麦茶を一口飲む。くそ、全く味が分からねえよ。
黒猫「ねえ、本当に大丈夫なの? 体調が悪いのなら無理しないで」
京介「……いや、至って健康だよ。心配かけて済まない」
黒猫「謝る必要なんて無いわ。私は京介の、その、か、彼女なのだから」
たった一つの単語を口にするだけで赤くなる黒猫がとても愛おしい。愛おしかった。
しばらく俺たちはこの一週間で起こった小さな出来事を雑談しつつ報告し合った。
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