過去ログ - 八幡「面倒くさくなったので人間関係を安価に託すことにする」
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730: ◆kDcmDE2.Yc
2016/04/14(木) 02:11:37.42 ID:jO9PcAYS0
7日目 

一色、一色か……。
しかし、デートの約束ということは別に今日すぐにデートをしなければならないというわけではなさそうだ。 異論は認めない。
とはいえ、俺レベルのぼっちになると実際のデートよりも約束を取り付けることこそ難関だったりするわけなのだが。


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朝 昇降口


「一色」
「はい? あ、先輩。 おはようございます」

さて突然だが、ここで一色をデートに誘うにおいて持ち上がった問題点を挙げよう。

其の一、俺から一色にメールや電話といった連絡手段をとることは嫌である。
其の二、だからと言ってわざわざ一色のいる教室へ足を運ぶことも論外である。
其の三、なにより俺から一色にデートの話を持ちかけることはあってはならない。

以上の事から、『俺のいるところに』『あくまで偶然一色いろはが現れ』『無理やりデートを取り付けられる』
という状態を作り出さなければならないわけだ。
つまり昇降口で一色と遭遇したことは偶然ではなく必然なのだ。
一言で言ってしまえば待ち伏せである。

「この時間に先輩に会うのって珍しいですね」
「まあ、いつもならもっとギリギリで学校に着くからな」
「ああ、なるほど。じゃあ今日はなんでこの時間にいるんですか、
もしかして私に会うためにわざわざ早起きしたんですかその気持ちは嬉しいですけど待ち伏せは気持ち悪いですごめんなさい」
「はいはい」

実際待ち伏せなので、特にツッコミを入れることも無く流すことにした。

「それより一色、この前のことだが」
「この前のこと?」

一色はわざとらしく首を傾げ、上目がちにこちらを見る。
あざとすぎて吐き気がするが、一方で可愛いと思ってしまうことが悔しくて仕方がない。

「まあ、生徒会室で一悶着あっただろ」
「ああ! そうです、先輩どうしてくれるんですか!? あれ以来あらぬ噂が立って面倒くさいったらないんですけど?!」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ、先輩は友達がいないんで知らないかもしれないですけど!!」
「俺の交友関係は関係ねえだろーが」
「とにかく!! 先輩、どう落とし前つけてくれるんですか!!」
「落とし前ってお前」
「これは一日私の奴隷になるぐらいじゃないと許せません!!」

時は来た。 わざわざ掘り返したくないことを掘り返してまで待っていたのは、この言葉だ。

「わかったよ、じゃあ今度一日中お前のために働いてやるから勘弁してくれ」
「は?」
「いやだから、いつか一日中お前の言うことを聞いてやるって。 荷物持ちでもなんでもいいから適当な時に連絡してこいよ」
「いや、あの」
「じゃあな、俺教室こっちだから」
「ちょっと、先輩?!」


俺にかかればデートに誘うなんてちょろいもんさ。 世の奥手どもは俺を見習うと良い。

(※一色いろはとのデートが取り付けられました。 安価又は日数経過でデートが発生します)


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