10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:41:51.73 ID:dTPiuG0Wo
改めて思う。
ああ、お人好しだった。この人は。
自分だって少なからず堪えているのだろうに。
美樹さやかが斃れたことに、一番責任を感じているのは自分だろうに。
「それがあなたの用なら、大人しく聞いているわ」
巴マミの視線を感じながら、そう返した。
私の視線は地面に落としている。
「……ううん。そうじゃなくて」巴マミはすぐに答えた。
でも、それ以上の言葉はついてこない。
黙る私と黙る彼女。
似ているようでまるで違って。
いつか見た二人と、どこか似ていて。
整理できるまで待っているわ。
そう伝えて、背もたれに体重を預けて空を見た。
ひんやりとした木材に熱を奪われながら。
分厚い雲に覆われた、鈍色の空を眺めていた。
190Res/93.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。