138:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:16:59.25 ID:mAIq3Puio
少しの時間が経って。
私は、ゆっくりと立ち上がった。
美樹さやかの手を、とったまま。
命をなくしたそれは、とても冷たくて、とても重い。
だらりと片手に引きずられるように上半身が垂れ下がった。
私は脇の下に肩を入れて、もう片腕も空いている手で引き上げる。
そのまま身体を持ちあげて、膝に手を通して、重心を自分の腰の上に置いた。
「……お前」
佐倉杏子が、どこか戸惑うように声をかけてきた。
私は後ろを向いたまま、それに答える。
「連れていくわ」
どこに、とは言わなかった。
それできっと、通じると思った。
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