3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:36:47.33 ID:dTPiuG0Wo
「……ふう」ぼんやりと空を見上げる私は、今日もまた同じようにため息をついた。
嘆息の想いは何に向けてのものだろう。
あまり頭を使いたくなかったので、さっさとその疑問を頭から追いやった。
首が痛い。
どれくらいここに立ち尽くしていただろう。
およそ真っ暗だったはずのあたりはもう、朝靄がさしてほの明るい。
数十分で済まないことは確かだろうか。
もう一度、空を見上げた。
天蓋を細く照らしていた月は薄れて、主役の座を太陽に明け渡す準備をしている。
肝心のそれはまだ地平線の向こう側に隠れているが、すぐにでもその輪郭を現すだろう。
考えている暇もなく、その時はやってくる。
うっすらと覗いた光の淵が、あたり一面に光線を振りまいて。
夜と朝を切り分けて、世界中に熱を与える。
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