53:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/11(土) 23:47:32.22 ID:KutC8v+7o
違う所と言えば、いつの間にか日が落ちていた。
私が歩いていたはずの路地をはるかに逸れて、大通りの交差点に私はいた。
雑踏の中立ち止まる私を、邪魔そうにして避けていく人たち。
彼ら彼女らはごく普通の人たちで、さっきまでの異常な空間の名残はどこにもない。
「結界を抜けたのかな。一体何だったんだろうね」インキュベーターはとぼけたように言う。
私が聞きたいわ。
そう返して、点滅する信号に急かされながらまた足を動かす。
それだけの動作に溢れる疲労は、先ほどまでの時間が夢幻でないことを明らかに示していた。
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