93:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:29:34.70 ID:PVCiXxqLo
だんだん。だんだん。
まるで見えない手が外から窓を叩いているようだった。
どんどん。どんどん。
弾けた赤黒い雨粒は窓の上に広がって、妙な図形を作って消える。
私にはそれが、指のない子供の手のひらのようにしか見えなかった。
さすがに気味が悪くなって、窓から距離を置いて教室側に立った。
それでも容赦なく浴びせかけられる騒音に、頭がおかしくなりそうだった。
「……やめ、っ」
無意識に吐いた弱音は、一際大きな音に掻き消される。
思わず閉じてしまった目を、開けるのにも、ひと苦労だった。
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