過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　２１【募集鯖鱒】 -SS速報VIP

過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　２１【募集鯖鱒】

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43: ◆v.By3fESrTsY[sage saga]
2015/07/12(日) 01:52:17.41 ID:ndMkaPNs0
しばらくして。

「…さて、茶番はすんだところで」
「…質問提議。貴方は何処までが冗談なのですか？」
「三千世界の烏を殺すまでだ。アイツら吾輩のアイス狙ってくるんだよ。ほら、この後頭部の十円禿は奴らに襲われた時できたものだ。」

言いながら後頭部を見せる苦沙弥。確かに十円禿がある。

「ま、とりあえずだ。アーチャー、何か反射板的なサムシングは持っているかね？」
「肯定。しかし、何に使うのですか？」
「何かね、やれってガイアが吾輩に囁くのさ」

苦沙弥のちんとんかんな言動に、アーチャーはため息の代わりに全身から蒸気を吹き出し、仕方ないといった様子で体内から反射板を展開した。

「よし。行くぞ」
「…警戒、正直嫌な予感しか」
「しねしねこうせーん！！！」

満足げに頷き、苦沙弥は警告するアーチャーに構わず、奇妙なポーズをとると。
その目からしねしねとした謎の光線が反射板に発射され、星空に放たれる。

「…ふう、やりきった、吾輩は寝るよ、アーチャー」
「…了解、良き夢を、クシャミ」

光線を放ち、かいてもいない汗を拭くと、苦沙弥はその場に倒れ伏し、一瞬で寝息を立てる。
それを確認し、周囲にレーダーを展開しながらアーチャーは寝転がる己が主人を眺め。

「…私は、私。…それで、いい、か」

一言、漏らすように呟くと不器用に苦沙弥に触れる。
合成繊維を思わせるそのごわごわとした感触に改めて素性を問う決心を固めながら、アーチャーはおそらく笑った。

「…珍妙な生物ですが、私は貴方を評価します、クシャミ」

ここに、彼らの主従関係は成立する。
不思議で奇妙な珍生物と破壊兵器はこの時を以て確かな絆で繋がれた。

…ここで終わっとけば割といい話なのだが。
ボロリ、と音がした。アーチャーはそれが自分から発した音だと気づき、苦沙弥に触れていた手を見やる。

「…？」

そこにあったのは、機械の手では無く。
何故かそれがパージされた部分から露出しているのはやわこい少女の手。

「…え、ちょっと、何これ」

困惑するアーチャーの体から赤い外層がボロボロと分離していき。
最終的に残ったのは、ちょっと野暮ったい印象だが、決して不細工では無い、むしろ可愛げのある。

「…人間型になってるーーーーーッ！！！？？？　くしゃみ、くしゃみ、一体これはどういう」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,，　　-――-ミ、
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　　　‘,　　　　｝　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　　∨　　 |　　　ｰ┬ｲノ,j`!

人間の少女型だった。
必死に慣れない小さな手で苦沙弥を揺り起そうとするアーチャー。
しかし、それは彼の背にあった電池入れを開くだけに終わり。

「…吾輩は後どれだけアイスを食えばいい、教えてくれ、ごひ、…ガイアは吾輩に何も教えてはくれない、…Ｚｚｚ」
「起きて！　くしゃみ！　説明を！　説明を！」

半分パニックに陥ったアーチャーの声が星空に響くのだった。

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