4:名無しNIPPER[saga]
2015/07/11(土) 22:02:09.85 ID:3aqeKHR/O
くせ毛「ちょっと足上げてもらって良い? うん、ありがと」
くせ毛「っと。ネット包帯」パッパッ
処置の痕は、思ったよりちょこんと収まった。
くせ毛「じゃあ靴下……」
メガネ「く、靴下はいいです。自分で履きます」
くせ毛「あ、そう? 分かった」
くせ毛「氷のうが多分一番良いんだろうけどさ、勝手に作って良いものか分からなかったし」
メガネ「でも、勝手に貰って良かったんでしょうか」ヨイショ
くせ毛「大丈夫っしょ。気になるなら、とりあえず利用記録書いてきたら?」
メガネ「はい。よっと」
くせ毛「歩ける?」
メガネ「歩けます」
少しぎこちなく歩く彼女に手を貸したくなるが、我慢して眺める。
利用時間と理由、クラスと名前を記入する帳簿にペンが滑る。
サラサラ……
メガネ「風邪、大丈夫なんですか」
くせ毛「ん?」
メガネ「ここ……風邪って書いてあるじゃないですか」
くせ毛「あー。寝不足だけど、健康体だよ。『獅子損々』って漫画読んでたら、夜更かししちゃって」
メガネ「?」
帳簿を書き終えた彼女がこっちを見た。
くせ毛「あー女子は知らないか。とにかく漫画読んでてさ」
メガネ「知ってます」
くせ毛「えっ、ほんと?」
獅子損々というのは、己のモラル、良識、思いやりを貫き通そうとする中で様々な寄り道をして成長してゆく、そんな主人公を描いた漫画である。
メガネ「買ってますよ、全部」
画風が濃く、青年マンガの色が強いが……ともかく、彼女は読んでいたらしい。
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