8:名無しNIPPER[sage]
2015/07/19(日) 08:13:37.49 ID:hrMh5qzBO
メガネ「ずっと寝ているんですもん。先生が帰ってきたから漫画は隠さないといけないし」
メガネ「けど、借りたものを寝ている間に返して去るのも良くないですし」
くせ毛「ごめんね、授業休ませちゃって」
メガネ「それは。まあ、いいんです」
彼女の言葉は、不満にも言い訳にも照れ隠しにも聞こえる。
良識の何たるかを共有する俺たちにとって、その会話は意味の深いものだった。
くせ毛「いま、先生は?」
メガネ「いませんよ」
くせ毛「よいしょ。とにかく、ありがとうね」
メガネ「いえ」
くせ毛「あ、もしかして部活もあった?」
メガネ「いや、もう帰るところです。足も少し良くなったし」
くせ毛「じゃ、途中まで一緒に帰らない?」
少し思い切ったことをした。
一緒に帰りたかったというよりは、連絡事項みたいな会話じゃなく何でも話して聞いて良いと、そういう了承が欲しかったのかもしれない。
メガネ「え……」
メガネ「いい、ですよ?」
彼女は困っているようだった。でも、俺には好奇の目が向いている。
俺だっておおよそ、軽々しく異性とふたりきりになろうとしない。彼女は俺よりもその傾向が強そうだ。
くせ毛「んじゃ、これは明日返そっと。失礼しました」
メガネ「失礼しました」
去り際に鏡を見た時、俺が彼女以上に好奇の光を宿していた事にようやく気付いた。
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