10: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 00:46:48.30 ID:9XTpaLhVo
盗賊「お前達と旅をして数ヶ月だけど……僧侶、お前、意外に可愛いな」
僧侶「………なっ」
勇者「こらこら。盗賊、彼女は純情なんだからからかっちゃダメだよ」
盗賊「そりゃ悪かった。神に仕える聖女様は、この前にお前と言ったパブの姉ちゃんとは違うもんなあ」
勇者「………盗賊ぅ」
僧侶「へえ。私が寝ている時、そんな所へ言っていたのですか?」
笑顔が怖いとはこの事だった。盗賊は何時も中立の勇者を引きずり落としてやったとほくそ笑んだ。
どうせ死ぬならば道連れだ――そんな楽しい、旅の道中でも勇者と盗賊の間には溝があった。
だが少なくとも勇者は盗賊への対応が冷たい訳ではなかったし、盗賊も勇者を嫌いではなかった。
ただ、手段のお話―――勇者の手は汚れてはならず、盗賊の手は汚れなければならなかったのだ。
それは誰が頼んだでもなく、盗賊が進んで行った所業。勇者はそれを知りながらも、心根で否定する事しか出来なかった。
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