127: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 22:05:28.29 ID:Ut9bCkLSo
――――生きている。
盗賊「…………なんで、だ」
静まり返った魔王城。そこで盗賊は眼を覚ました。
確かに呪いの反動は発動し、死を感じた。だけど、こうして生きている。
盗賊「………これ、か」
懐を見ると、見窄らしい石が砕け散っていた。
それは何時か、彼女がおまじないを掛けてくれた”賢者の石”の贋作だった。
盗賊「贋作、じゃないってか?」
まさかな、と砕け散ったそれを掴む―――が、サラサラと粉末状に消えて行く。
盗賊「…………なあ、僧侶。おまじない、効いたよ」
絶命している僧侶の上で、盗賊は涙する。
嗚咽を漏らし、やり切れない怒りや悲しみ、全てを吐き出していく。
146Res/106.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。