70: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:34:01.65 ID:IVe03aaio
燃える。爛れる。痺れる。熱い。熱い。熱い。
右目が失くなった。吹き飛ばされ、壁に叩きつけられ身体中の骨がバラバラになりそうだった。
それ以上に右目の喪失感と、激痛が盗賊の意識を引き千切ろうとしていた。
僧侶「直ぐに、回復魔法をかけます! 大回復魔法……っ!」
魔法使い「う、ん……ごめん、意識飛んでた……って、盗賊さん!?」
魔法使いは回復魔法を受けて、目覚めた様だった。
漸く回復した魔法使いの次に、と僧侶は盗賊への回復に移ろうとする。
盗賊「ま、て……僧侶、俺は……良い……!」
かざされた僧侶の手を掴んで、意識を朦朧とさせながら首を振った。
僧侶「で、ですが!」
盗賊「し、死ぬ様な怪我じゃない。それに、もう眼は……魔王に、潰された……修復はできない……」
魔法使い「………」
盗賊「元から、俺は……戦力としては、お前ら……にも、及ばない……!」
「俺の役割は……弱点を、魔王の……弱点を探る事だった! なら、もう役目は終えている!」
この怪我は死には至らない。だが然し、これ以上の戦闘は何も期待出来なかった。
真紅のダガーも魔王には恐らく効かない。それに僧侶の魔力も無尽蔵ではない。
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