73: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:35:26.84 ID:IVe03aaio
魔王「はあ、はあ……く、くくく、くっくっく! やるではないか塵どもめが」
三人から間合いを取り、魔王は傷ついた身体を撫でる。
これ程までに追い詰められたのは久方ぶりだと、そんな表情を浮かべていた。
魔王「これほどの力……神々も中々の勇者を生み出したものよ」
勇者「……」
魔王「互いに殆ど互角。後ろに控える女二人の分、我が競り負けておるか……」
「くっくっく、実に愉快―――この時を、どれ程待ち望んでいたか」
勇者「これからお前は、僕たちに倒される。それがそんなに、嬉しいのか?」
魔王「貴様らの絶望を想うと、愉快にも程があるからだ」
勇者「負けない、とでも思っているのか?」
魔王「くっくっく――――時に勇者よ、後ろの二人は貴様の女か?」
僧侶と魔法使いは、険しい顔で魔王を睨む。
この問いに一体、何の意味があると言うのか。
魔王「我は貴様らを見ていた。遠見の水晶球と言うな、エルフが作った逸品よ」
魔法使いが、ギリと歯ぎしりする。
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