8: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 00:45:20.00 ID:9XTpaLhVo
ある日の宿屋での出来事。別室で僧侶は既に熟睡していた。
盗賊も微睡んでいた所、勇者の帰りが遅く心配になり探しに出た。
勇者は呆気無く、宿屋の裏手で見つかり剣の鍛錬をしていたので大事には至らなかった。
盗賊「勇者、そろそろ眠ったらどうだ」
勇者「ああ……。鍛錬は終わったし、そろそろ寝るかな」
勇者「僕にはこの剣が全てだ。魔法も大して強くはない……だから、頑張らないとね」
盗賊「まあ、少なくとも俺よりは有能な事に違いないさ」
勇者「君には助けられているよ。君は……僕に出来ない事を、やってくれる」
盗賊「……勇者、お前は英雄だ。世界を照らす光なんだ」
勇者「そういう所はやっぱり、分かり合えないのかな」
盗賊「……もう、寝るぞ」
不毛だ、と言わんばかりに盗賊は踵を返した。
その背中を眺める勇者の眼は……酷く、冷たかった。
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