過去ログ - これから日記を書く 三冊目
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21:名無しNIPPER[saga]
2015/07/17(金) 00:55:51.31 ID:HPS4UOjAO
二百二十九日目

今日は処理中に、藍がだだをこねて探索中にどこかへ行ってしまった。

藍自身がゾンビにやられるような心配はなかったが、WWPの件もあり俺と佐原で偵察しながら捜し、残りメンバーは安全第一で処理するよう指示した。

佐原に関してだが、やはり獣よりの変異を遂げているためか、五感の感覚が鋭く嗅覚なっているようだ。

奴が言うには藍はやはり通常の人間とは、どこか違う匂いがするらしい。都市部は血や肉の臭いが常にするから、逆に普通の匂いが目立つそうだ。

その匂いを辿ってもらいながら、移動していくと藍が小さな個人商店の片隅で泣いていた。

佐原に見張りを頼み、中には入っていくと、もう騙されないんだぞと両腕を刃状に変えて威嚇してきた。

何を騙されないんだと聞くと、自分を良いように使って、皆に会わせないんだろうと、そんなことを言ってきた。

うかつに近づけば、藍のポテンシャル高さもあって、怪我ではすまない事態になる。言葉を選びながら、説明した。

藍をWWPの手に落とすわけにはいかないこと、藍自身が持つ情報も新しいものではなく、そもそも正しいかもわからないこと。

威嚇の姿勢は解除されたが、それでも刃状の両腕はそのままだった。膝をつき、俺なりにもっと丁寧に説明する。

そうすると、自分は皆と早く会いたいんだぞと、また泣き出した。危険を承知で近づき、頭をなでたが、それが払われることはなかった。

藍が落ち着いたところで、あえて信じられないなら、無理に一緒にいる必要はないと、そう告げた。

藍は、信じていいのか聞いてきたのに、俺が答えられたのは、見つけられるかの約束は出来ないということだった。

その後は、佐原に藍を背負わせて処理メンバーと合流した。藍はまだ、拠点に滞在することになる。

ただ一つ言えなかったことは、生み出した研究者達がそもそも無事なのか、ということだ。

脱出時、WWPに殺された可能性。移動時にゾンビが、逃亡先で……、いろいろ考えられる。

いえなかった理由は、藍の希望だからだ。俺が文明復活を希望にしているように、それがなければこの世界は生きるに辛すぎる。


二百二十九日目終わり


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