42:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 16:08:56.67 ID:d3Zd/SN00
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桃子ちゃんは私のことを慕ってくれた。共演する機会はあまりなかったが、個人的な付き合いは続いていた。
普通に遊ぶ、といったことは少なかった。一緒にレッスンをしたり、演技の参考になりそうなものを教え合ったり。
そう考えると私たちの関係はあくまでも『子役』としてのもので、互いの技術向上を目的としたものだった。あるいはそれだからその時のマネージャーさんも私が桃子ちゃんと付き合うのを許してくれていたのかもしれない。
でも、子役としての付き合いでも私たちの間には確かな絆があったと思う。とても仲良くしていた、と思う。
ある日、桃子ちゃんは私のことを「泰葉お姉ちゃん」と呼んだ。それは桃子ちゃんにとっても『思わずそう呼んでしまった』ことのようで、それに気付いた桃子ちゃんはすぐに「ごめんなさい」と謝った。
でも、私は不快ではなかった。それどころか、とても嬉しかった。
だから私は「いいよ」と言った。「そう呼んでくれたら嬉しいな」と。
それから桃子ちゃんは私のことを「泰葉お姉ちゃん」と呼ぶようになった。そう呼ばれるようになってからは、より私たちの関係は親密なものになっていったと思う。
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