6:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:38:48.16 ID:d3Zd/SN00
昔……桃子がまだまだ新人で、芸能界のことを何もわかっていなかった頃。
桃子は泰葉さんのことを『泰葉ちゃん』と呼んで、子どものように懐いていた。
桃子にとって『泰葉ちゃん』は憧れだったのだ。
その頃の泰葉さんはまだ子役で、よくテレビに出ていた。
『泰葉ちゃんみたいになれたら』と思って芸能界に入った子は多いだろうし、桃子にもそんな気持ちがないわけではなかった。
『岡崎泰葉』という成功例を見て、純粋に――そう、今では愚直だと思えるほどに純粋に、桃子は芸能界に憧れていた。
そして実際に泰葉さんに会うことができて、話すことができて……仲良く、なることができた。
そう、桃子は泰葉さんと本当に仲良くなった。『泰葉ちゃん』『桃子ちゃん』と呼び合うくらいには、仲良くなった。
あの頃の桃子は泰葉さんを姉のように慕っていたし、泰葉さんも桃子のことを妹のようにかわいがってくれた。
でも、ある日、泰葉さんは桃子の前から消えた。
桃子が生きる世界から、逃げたのだ。
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