8:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:40:41.77 ID:d3Zd/SN00
泰葉「……桃子ちゃんも、そうなんでしょう? あの765プロで……アイドルを、やっているのなら」
桃子を見て、泰葉さんは微笑む。その微笑みに、どんな感情が含まれているのか――知りたくなくて、桃子は泰葉さんの視線から逃げるように顔を背けた。
桃子「……泰葉ちゃんが、何を知ってるの」
泰葉「え?」
思わず、そう呟いてしまった。先輩に対してなんてことを。桃子は慌てて口を抑えた。でも、泰葉さんには聞こえなかったらしい。何を言ったのかと首を傾げていた。
桃子「……何でもありません。ただ、仕事は仕事です。そこに感情なんて挟む必要はない……ただ、自分にできることを、するべきことをする。……泰葉さんが、教えてくれたことじゃないですか」
泰葉「それは」
泰葉さんは何か言おうとした。でも、桃子は聞きたくなかった。時計を見るとちょうど時間だ。桃子は立ち上がった。
桃子「……もうそろそろ時間だから、行きますね。泰葉さん、わざわざ桃子に付き合ってくれてありがとうございました。また、会いましょう」
そう言って、泰葉さんが何か言う前に桃子はその場を立ち去った。
泰葉さんから、桃子は逃げた。
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