過去ログ - ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」ドラのび「「消えた!!?」」
1- 20
1: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 19:49:45.28 ID:ZWGoZh1O0
※時空間に関してあれやこれや考察がありますが、独自設定が混じってますので、それはご容赦ください。
 あと以前に途中までは投稿した過去があります、今回は完成させます、すみません。






 2112年9月3日

 猫型ロボット:ドラえもんの製造年月日である。

 これはそれより97年も前の話。





 野比のび太は小学四年生、夏休みの宿題をひーこら泣きながら、ドラえもんに手伝ってもらいつつ、なんとか間に合わせて先生の怒鳴り声を聞かずに済んだのが一昨日の話である。
 のび太は忘れっぽい。だから疲れや恨みなどもすぐ忘れる。昨日もスネ夫に夏休みの海外旅行を自慢され、ジャイアンに特に理由なく殴られ、しずかちゃんはのび太より出木杉と遊ぶことを選び、腹がたって石を蹴ったら野良犬に当たって追いかけ回されたことも、眠ってしまえば大概忘れてしまう。おかげで進歩がない。
 でも、今日という日はのび太でも忘れなかった。先生の教科書の朗読の声も上の空に、のび太は今日を想う。


 ――ドラえもんの、誕生日。


 のび太にとって、ドラえもんは家族で、頼れる保護者で、おっちょこちょいで肝心な時に役に立たない、大事な大事な親友だ。
 だから、ドラえもんがロボットであろうと、今日はドラえもんの誕生日なのだ。
 プレゼントは決まっている。高級ドラ焼きだ。ドラえもんは甘すぎるドラ焼きは邪道だの、なかなか味にこだわっている。その中で、前にお中元でもらった有名なお菓子屋さんのドラ焼きを最高だ最高だと褒めていた。だからその、有名なお菓子屋さんのドラ焼きをたくさん買ってきてあげようと、のび太はポケットの中になけなしの小遣いの入った貯金箱を割って出てきた小銭全部を入れて、帰りに買おうと決めていた。

(ドラえもん、喜ぶだろうな)

 大好きなドラ焼きをむしゃむしゃと頬張り、涙を流しがらありがとうありがとうと喜ぶドラえもんの顔が、今から浮かんでニヤニヤしてしまう。
 結果。
 当然のように先生に見咎められ、叱られ、廊下に立たされた。







「お兄ちゃん!」

 部屋で漫画を読んでいるドラえもんに、呼びかける声がした。だけど姿がない。

「ドラミ?」

 ガダガタと引き出しが勝手に動いている。こんなに建て付けが悪かっただろうか。
 ぐぅっと、力いっぱい開けようとするが、引き出しは開かない。
 引き出しは、開かない。

「おにい……ちゃ……」

 ザザッと、声にノイズが走った。

「ドラミ!? どうしたんだ!?」

「ザ……ザ……はなザザザし……あザザザザと……」

 ガタガタガタガタガタガタガタガタ!

「逃げて!」

 ガタガタ……ガタ。

 それきり、引き出しは沈黙した。

「ド、ドラミ?」

 引き出しを引っ張ってみる。今度はなんなく開いた。だけど。
 それは超空間やタイムマシンなどなにもない、ただの引き出しでしかなかった。



SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 19:51:30.19 ID:ZWGoZh1O0

「ふふふふふ〜ん♪」

 いつも運がないだの間抜けだののろまだのと言われるのび太だが、今日は放課後になった瞬間にさっとランドセルをとってジャイアンや野良犬から逃げるのと同じぐらい早く素早く学校を出た。
 いつもこうなら、体育の成績はもう少し上がるだろうに、本人はまったくやる気がない。
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 19:54:14.12 ID:pjNX78lMO
期待


4: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 19:56:06.82 ID:ZWGoZh1O0

 シン、となった机の前で、ドラえもんは立ち尽くしていた。

(逃げろ、って……?)

以下略



5: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 19:57:00.86 ID:ZWGoZh1O0

「ここだね?」

「ええ」

以下略



6: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 19:57:59.42 ID:ZWGoZh1O0

「………?」

 のび太が目を覚ました時、壁や天井全体がほんのりと光る不思議な部屋の中のベッドに眠っていた。窓はなく、家具もベッドぐらいしかない。唯一ある扉に向かって立ち上がろうとした時、

以下略



7: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 19:59:40.19 ID:ZWGoZh1O0

「……申し訳ありません。身元の確認を本人からとしたのが失敗でした」

 アルトはサブリーダーに向かって頭を下げる。

以下略



8: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:00:27.55 ID:ZWGoZh1O0

「時の裂け目っていうのはね、亜空間に干渉した時に起きるものなんだ」

 ドラえもんは時間に関する知識を丁寧に説明していく。

以下略



9: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:01:12.17 ID:ZWGoZh1O0

「やあ。僕はこの組織のサブリーダーをしている者だ」

 のび太は青年と対面していた。
 20代ぐらいに見える。
以下略



10: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:01:50.89 ID:ZWGoZh1O0

「うーん、うーん」

 可能性を信じてぽいぽいと道具を四次元ポケットから取り出していくが、やはり時空に関する道具は殆ど使い物にならない。

以下略



11: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:02:49.16 ID:ZWGoZh1O0

 のび太は予感を抱えていた。
 あの頭脳明晰で運動神経も抜群な出木杉くんが、副リーダーをしている組織。
 そんな組織のリーダーは誰だろうか、というと……

以下略



12: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:03:57.12 ID:ZWGoZh1O0

「どうしてかっていうとね、ドラえもんが来たことでのの影響ってのが」

 ホログラムの川に、小石が落ちて、僅かに波紋が広がっていく。舟が僅かに揺らいだ。

以下略



13: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:04:47.99 ID:ZWGoZh1O0

「でもそれは、本流だけしか見てないからなんだ」

 大人ののび太は、寂しそうに笑う。

以下略



14: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:06:01.67 ID:ZWGoZh1O0

 もう遅いからいったん帰ろうと、ドラえもんはそう三人に切り出すと、案の定ジャイアンが怒って、だけど家族が心配するからとなだめて、ようやく帰っていった。

 時空間に関する道具はやっぱり使えないままだったし、ドラミとも連絡が取れない。今できることは何もなかった。

以下略



15: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:07:56.71 ID:ZWGoZh1O0

「そっちの時間軸のボクが紛れ込んじゃってね。すぐに返したかったんだけど、いろいろ難しいこともあって」

 ボリボリと頭を掻く姿は、やっぱりのび太だった。

以下略



16: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:10:00.12 ID:ZWGoZh1O0

「時の支流は、ちょっとしたことで簡単に滅びるんだ。この活動を始めてから、たくさん見てきたよ」

「出木杉くんが言ってた。タイムトラベルが禁止になって、過去への干渉が全部なくなったとしても、滅んだ支流が元通りになることは、殆どないんだって」

以下略



17: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:10:45.51 ID:ZWGoZh1O0
「いいの?」

「うん。ボクは……どうしようかな」

「未来に送るよ。ドラミちゃんやセワシ君だっけ、その子たちも2015年近辺のドラえもんの記憶を消しとくよ」
以下略



18: ◆HzhjHJoJjK7U[saga]
2015/07/16(木) 20:12:37.60 ID:ZWGoZh1O0
読了ありがとうございました。

えー、

続き必要ですかね。一応ここでいったん区切りは付けたつもりですが、望む方がいるなら少しお時間をいただければ書いてみたいと思います。


19:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 20:13:09.40 ID:tUaA0Py3O
続けてどうぞ


20:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 20:13:41.47 ID:pjNX78lMO
続けてください


21:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 20:14:08.62 ID:9hRjX/oco
こういうの好き


48Res/52.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice