過去ログ - 勇者「もうモンスター倒したくない」
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13:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/17(金) 16:10:11.72 ID:IvfCb3Y0O
魔法使い「ああー眠い……。なんで朝は眠くて、夜寝付けないのかしら」
僧侶「お姉ちゃん……」
魔法使い「どうしたの?」
僧侶「……勇者さんの手に、アザが浮き出てた」
魔法使い「そう。じゃあ、やっぱり今日なのね」
僧侶「……」
魔法使い「アンタは逃げてってお姉ちゃんとしては言いたいけど。好きなんだもんね、勇者のこと」
僧侶「うん……」
魔法使い「じゃあ、仕方ない。考えてもどーしよーもないっ!」
僧侶「ねぇ……なんで勇者さんが魔王になるの?」
魔法使い「……」
僧侶「どうせ今日で終わりなんだから、本当のこと教えて」
魔法使い「……勇者の国は、でっかいアリの大群に襲われたって言ったでしょ?覚えてるよね」
僧侶「うん……」
魔法使い「そのアリを操ってたのがある国の兵士だったわけ。
つまり戦争の結果、勇者の国は滅んだわけね。
それで、家族がいなくなった勇者は一人ぼっちになった。
食べるものにも困って、勇者はそこら辺にいた魔物を焼いて食べちゃったんだよ」
僧侶「えっ……」
魔法使い「魔物って言っても、玉ねぎみたいなやつよ。
目が痛くなる汁飛ばしてくるやつ。
食べた感じも玉ねぎみたいだったって、アイツは言ってた」
僧侶「そ、そう……」
魔法使い「その時から、手にアザが浮かぶようになって、その度に誰かが死ぬんだって。
周りからは気味悪がられて、せっかく一人じゃなくなっても必ず一人になって。
私と会うまでは、山で魔物を食べてやり過ごしてたらしいわ。
でも、魔物を食べてる内に、なんだか体がおかしくなってきたって言ってた。
手も足も大きくなったり縮んだりして、たまに自分が自分じゃなくなる時があるみたい、だそうよ」
僧侶「そんな……」
魔法使い「そんで今回、私たちが向かうのは勇者の国を滅ぼした国なわけなのよ」
僧侶「えっ!?」
魔法使い「その国では大きなアリが作れちゃうぐらいだから、生体の研究が進んでてね。
あの国のやつらは勇者のアザについてもよく知ってた。
そのアザが浮き出る人ってのは、魔物を体に取り込んだ人らしいのよ。
そして、その人達にあることをすると、魔法の能力がはねあがるんだって」
僧侶「あることって?」
魔法使い「魔物の血から取り出した成分をめーっちゃ濃縮したのを腕に注射すると、魔法の能力が高まるとかそんなん。
あの国はアザを人工的に作り出してきたけど、うまくいかないんだってさ。
だから、勇者を引き渡せってうちらの国は脅されたのよ。
あの国は大金をちらつかせたらしいわ。
そんで、勇者が行くことになって、私と戦士がついていくって喚いたわけね。
そうしたら、アンタまでついてきちゃって」
僧侶「だって、私はよく分からなかったから……。
でも、それなら逃げちゃえばいいんじゃない?
本当にあの国に行くことないんじゃないかな」
魔法使い「うーん、それは無理ね。
今日中にあの国に行かないと、勇者死んじゃうから。
そういう魔法をうちらの国のやつにかけられてる」
僧侶「うそ……」
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