6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/17(金) 17:02:46.82 ID:2FTYkEm5o
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「秋山さんは、元気にしていますか?」
「ええ、立ち直っていますよ」
「そうですか」
「俺は何もしていませんがね。平沢さんや中野さんや、要するに学生時代の友達がいつも一緒に居ました」
「……良かった」
「そうですね、良かったことなんです、秋山さんの場合は。でも貴女はそれを拒んだ」
「はい。私は元より元気ですから」
「それはいいことです。ではもっともっと元気になって幸せになってくださいね、俺が殺せるくらいに」
「今じゃ駄目ですか」
「駄目です」
「私は昨日また大きな商談をまとめてきました。夫にも感謝されて幸せです。なのにどうして」
「琴吹家はまだまだ大きくなります。貴女の結婚を機に膨らみ続ける泡、その限界がこのあたりだとは誰も思っていません」
「そうなのですか」
「ですからもっと頑張ってください。応援しています。では」
いつもいつも、彼と会うたびに思うことがある。
背を向ける寸前の彼の笑顔は、確かにあの死体と似ているのだ。
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