過去ログ - 憧「憧れた夢に」京太郎「立ちはだかる現実」
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2: ◆fcYxsXQ.qZpg[saga]
2015/07/18(土) 00:22:14.11 ID:ojKRXrYlo
新子憧は、高校三年間を終えた後、東京の大学へと進むことを決めた。
理由は、まぁ、いくつかあるが、それはさほど重要ではない。
親が、許可をくれたこと。それが一番、憧にとって大切なことである。

「ふぅ」

一つ溜息をついて、今日から自分の城となる、ワンルームのマンションの一室を眺めた。
換気のために開け放った窓からはまだ少し肌寒い空気が流れ込んでくるが、荷物を運び終えた火照った体にはちょうどいい。

「今日から、ここで一人暮らしが始まるのね……」

胸が、静かに高鳴る。この感覚は、子供の頃に連れて行ってもらえた遊園地とか、IHでの戦い以来ではないだろうか。

「うん、大丈夫……」

勿論、不安はある。泥棒が入らないか、とか、ほぼいらない心配をしたこともある。が、自分は割としっかりしてるから、そういう心配はいらないだろうという、自信を憧は持っていた。
ナルシストではないが、自虐癖があるわけでもない。
何度も何ども実家で見返してきた一人暮らしの基本ノートにもしっかりまとめてある。

「さて……まずは」

運び込まれた、ダンボールの山。そして、ベッド。憧は早速整理しようとそのダンボールの山に手をかけ……

「休憩しよ!」

なかった。頭にかぶった三角巾を取り、前掛けも取り外し、すっかり身軽になった体で、新品ベッドのもふもふの布団へと飛び込んだ。

「さすがに、疲れたもんね……すこし……くら、い……ね……」

そのまま、憧は引越し作業の心地よい疲れに身を任せ、深い眠りに落ちた。頬をなでる春風が心地よい……



数分後、窓を開けっ放しだったことを突然思い出しすぐさま覚醒。ピシャーンと、窓を閉じた。


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