過去ログ - 女「じゃあさ、初恋の思い出とか語ってよ」 男「うざっ」
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90:名無しNIPPER[saga]
2015/07/24(金) 18:48:06.95 ID:5hYx4cEA0

桜の花が咲くころ、僕は生まれた町から遠く離れた学校で新しい生活を始めた。

男子寮の仲間たちは皆個性的で、僕は特段変わった奴ではなくなった。

僕は、新たな環境でたくさんの友達を作ることができた。

とても居心地がいい3年間が過ぎ、そのまま付属高校でさらに3年の時間を過ごした。

でも、たくさんの友達ができて初めて気づいた。

あの時の僕の気持ちは、友達への気持ちとは少し違うということに。

僕は季節が巡る度に、少女のことを思い出した。

少女と最後に交わした言葉が燻りつづけた。

寮のベッドで目をつぶると、目まぐるしく変わる少女の表情が浮かんだ。

僕が、笑った顔も泣いてる顔も怒った顔も知ってるのは、たぶん少女だけだ。


僕が寮のある中学に進んだ年の6月、母は実家を東京に移した。

だから僕の実家は、あの町には無くなった。

だから僕は、6年間あの町に帰ることは無かった。




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