過去ログ - 海未「海の日ですね」ことり「そうだね!」
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27:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 19:24:58.65 ID:i1SQx8bd0

海未「だって、タイミングが......せっかく、言おうとしたのに」

ことり「でも、しょうがないでしょ? 電車来てたんだから。間に合わないと帰り遅くなっちゃうし」

海未「そ、そうですけど......」

痛くもないおでこをすりすりと撫でていると、自分の言っていることがとても子どものわがままじみていて、情けないことのように思えて恥ずかしさがこみ上げてきた。

ことり「で、海未ちゃんはなにを言おうとしてたの?」

海未「......えっ、それは、その」

ことり「なんて言おうとしたのー?」

海未「くっ......」

あなた、わかってるでしょ!?

とは言えずに、視線をことりから外して、窓の外を見た。

夜の中で家やお店の明かりらしきものや街頭がビュンビュンと左から右へ流れていく。

こうして当然のように通り過ぎていく一瞬一瞬にも、誰かの生活があり、それによって夜は光に溢れているのだ、と思うと何だか不思議な気持ちになった。

ことり「すぐそうやって逃げるー」

海未「にっ、逃げて、......ません」

ことり「あ、お母さんからメール着てた。ちょっと待っててね、海未ちゃん」

海未「......はい」

逃げているわけじゃない。

タイミングが悪いんです。

心の中でそう呟くけど、自分でもすぐわかるくらい、とても言い訳じみていて。

声には出さず、代わりにため息をついた。

窓にはメールの返事を打っていることりの姿が薄く映って見えていた。

なんて返事を打っているのだろう。

ことり「海未ちゃんと海に来てこれから帰るよーって打ってるんだよ」

海未「なるほど......って、なんで、私が思ったことわかるんですか!?」

ことりの方を急いで振り返る。

ことり「いやぁー、こっち見てる海未ちゃん、窓に写ってすっごく見えてるから」

ことりが指差す。

見る人は見られる人というやつか。

私がことりを見ていたとき、ことりもまた私を見ていたのだ。

海未「うわっ、恥ずかしい......」

顔がカァァと熱くなる。

ことり「海未ちゃん、ことりのこと本当、こっそり見過ぎだよー」

海未「こ、言葉にしないでください。さらに恥ずかしくなるというか、もう恥ずかしさを通り越して自己嫌悪に陥りそうなんで」

ことり「このままだと破廉恥というか、ストーカーって呼んじゃうよ?」

海未「ストーカー!?」




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