過去ログ - 海未「海の日ですね」ことり「そうだね!」
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31:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 21:02:15.22 ID:KWeVhblp0
ことり「海未ちゃん起きなかったらどうしようかと思っちゃったから、結構強くガシガシ揺すっちゃったんだけど大丈夫だった?」

海未「えぇ、大丈夫ですよ。むしろ、起こしていただいてありがとうございます。結構、自分でも驚くくらいグッスリ寝てしまってたみたいですから」

ことり「良かったー! 手加減がわからないし秋葉原近くまで来たのに海未ちゃん全然起きてくれないから、揺すってたら海未ちゃん窓にゴンゴン頭ぶつかってて」

海未「......えっ? そう言われると心なしか頭が痛いような」

左側の頭を撫でる。

たんこぶは......できてないみたいだ。

ことり「まあ、海未ちゃん起きなかったら、そのままやっぱり乗り越して、海未ちゃんが起きてからどっかのホテルでも泊まればいいかなって思っちゃったけどね」

海未「えっ......」

ことりはなんてことのないように、私ではなく吊り広告を見ていた。

ことりの耳が赤らんでいたのを見逃さなかったのは、きっと、私がことりのことが大好きだからだ。

海未「......あの、それってつまりそういう」

そこで再びなにを言っているのかわからないアナウンスが鳴り響き、最寄り駅への到着を告げる。

海未「......」

今日はタイミングに縁がないみたいだ。

ことり「あ、降りる駅だよ? 海未ちゃん。降りる準備しよー?」

海未「......はい。あの、......降りる準備といいますか、その、ことり」

ガサガサと財布の中ポケットから2人分の切符を取り出して、扉付近に移動しながら言う。

ことり「んー、なにー?」

ぬるぬるとホームに電車は入っていく。

屋根があり、こんな時間まで人が溢れかえっているその駅の雰囲気に、少し懐かしさを感じ、勇気みたいなものをもらえるのは、やっぱり、ここが私の地元だからだろうか。

誰にも聞こえないようにことりだけに聞こえるように、ことりの耳元に口を寄せた。

海未「私、あなたのこと、大好きですから」

電車が決められた位置で止まり、数秒後にプシューと扉が開いた。

横を見られずに、駅に降り立つ。
ふと気配が感じられず、振り向くとまだことりは電車の中にいた。

海未「えっ、ことり!? 降りないと!!」

ことりの手を掴んで、グイッとホームに引きずり下ろす。

ガタンゴトンと電車が去っていく。
降りた人たちは出口に向かって歩き出す。

その波に逆らってホームで私とことりはいまさらながら向き合って、私はぼーっと立ち尽くすことりの様子をうかがうことしかできていなかった。

海未「あの、ことり? どうしました? 帰りましょう?」

ことり「海未ちゃん、ズルい」

海未「はい!? 」

真面目でつまらないストーカーの後はズルいときたか。



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