過去ログ - 志希「アイドルをオモチャにするクスリ」【R-18】
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45: ◆Freege5emM[saga]
2015/07/20(月) 19:43:48.21 ID:+YHYAwhlo

●33

『安心を! スプーン曲げても、プロデュース方針は曲げないでいいから』

出会って間もない頃、ユッコとサイキックアイドルについて話し合った時、
俺は『サイキックアイドルとは、裕子自身が考えて決めたモノか?』と、
手を変え品を変え執拗に確認した。ユッコは問いのすべてに力強く頷いた。

『私も……アイドルの心意気は曲げませんからねっ』

『ミラクル起きます! 起こします!』

業界では、自分のおおまかな活動方針すらプロデューサーに投げてしまうアイドルが珍しくない。

そんな連中と対照的に、ユッコは自分の目指すべき理想像を明確に描き、
その理想像に向かって邁進できる決断力を持っている。とても重要なコトだ。

ユッコのように、自分で腹を括った過程を土台として経験を積む。
それでこそ、ちょっとやそっとの障害では揺るがない責任感や自信が育ってくる。
この土台は、所詮は他人であるプロデューサーが与えてやれるモノではない。



『みんなで歌いましょー! さいきっく! 大ユニゾン!』

また、先に列挙したユッコの素質が、
彼女の理想像『サイキックアイドル』を、ただの独り善がりで終わらせない。

ユッコが使う超能力は、たったひとつ。

『みんなを喜ばせる超能力が、私にはあるんですよ……ふふふふっ!』



スプーン曲げ、透視、空中浮遊、読心術、テレポート――そんな素人手品を、
愛嬌に溢れたユッコが、限りなく真面目にステージでキメる。
この力技で、観客の苦笑いを微笑みに変えてしまう。

こんなやり方、ほかのアイドルには真似できない。

『どんな――信じられない事も信じ続けて♪
 強く念じてみれば――スーパーナチュラル♪』

ミラクルテレパシーは、そんなユッコのために作らせた曲だ。



『プロデューサーがいれば、私のパワーは湧き続けます!』

ここまで揃うものが揃えば、イロモノであることが、むしろ可能性の大きさを示す。

昔の芸能界を少し振り返れば……

あどけない外見できわどい歌詞を口ずさんだり、
ぶりっ子とかいう過剰な演技をキャラとして確立したり、
普通っぽい女の子をアイドルに仕立てあげる物語性を売ってみたり……

時代を席巻するアイドルは、その当時に異端とされていた領域から生まれている。
俺は、ユッコならその領域を切り開けると見込んでいる。



『きまぐれなエスパーで――時々ミスもしちゃうけど♪
 失敗なんて恐れない――だって、きっと夢は叶うから♪』

つまりユッコは、エスパーユッコであるがゆえに、トップアイドルを狙える逸材なのだ。



『念動☆浮遊――あっ、あれっ、これ、ちょっとこわい、かも!
 で……でも……あ――かっ……快感……!』

『一大イリュージョン! 眼をかっぽじって見てください! え、違う? 耳?』

『大丈夫、、チャージしてきました! 寝溜め! 食い溜め! サイキック溜め☆』

トップアイドルを狙える逸材……のハズだ。



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