過去ログ - 志希「アイドルをオモチャにするクスリ」【R-18】
1- 20
48: ◆Freege5emM[saga]
2015/07/20(月) 19:47:41.79 ID:+YHYAwhlo


●36

翌日、仕事の打ち合わせのために事務所へやってきたユッコは、
いつもと様子が違っていた。

「おつかれユッコ――あれ、ユッコ……スプーン持ってないのか?」

「ふぇっ……?」

俺とユッコは、机の横に二人分の椅子を置いて、左右に並んで座っていた。
お互いの座っている様子が、ほぼ全身を視界に収められる位置関係だ。

いつもユッコは愛用のスプーンを持ち歩いていて、
頼みもしないのにスプーン曲げを披露してくれるのだが、今日はその気配がない。



「あ、あの、今日は……」

ユッコにしては珍しい、口籠った返事が聞こえる。

「前に『エスパーユッコに、さいきっくトレーニングをつけてください!』って言ってたじゃないか」

「今、持っては……いるんですけど」

「じゃあ、いつもみたいにスプーン曲げ見せてくれよ。
 まずは今のユッコの状態を知りたいし」



ユッコは手荷物から、おずおずとスプーンを取り出す。

いつもだったら、ユッコはスプーンの柄を力いっぱい握りしめて、
『ムーン、ムムムーン……ムンッ!』などと迫真の念力を見せてくれるのだが、

「む、むむ……んんっ……ふ、うう……っ」

今日のユッコには、昨日までの威勢が影も形もない。これでは致命的にダメだ。
エスパーユッコは本人の真剣さが伝わらなければ、小学生の学芸会以下なのだ。



「別に、焦らなくてもいいぞ。今日はユッコのために、時間とってるし」

俺は素知らぬ顔で、脂汗をかきだしたユッコを見つめる。

「ぷ、プロデューサー……あ、の、私……」

ユッコは目に涙を浮かべながら、俺に視線で何かを訴えかけていた。



昨日の俺は、催眠術でユッコに一つ暗示をかけた。
『ユッコが愛用しているスプーンは、実はユッコの性感帯であった』という、
極めてくだらない暗示だ。

「う……うぅう……はぁ、ふぁあっ……」

つまりユッコの主観では――自分は今、仕事の打ち合わせ中に、
性感帯をプロデューサーの前に晒して、それを握りしめて念力を込めている――という状況になる。

ユッコは、よく俺の催促に応じてスプーンを出したものだ。
サイキックアイドルに対するこだわりと、
自分が『さいきっくトレーニング』を頼み込んだという負い目が、
ユッコにこんな変則羞恥プレイを強制させているのだろう。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
63Res/69.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice