29: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/27(月) 01:13:35.02 ID:x8AHwltW0
深海棲艦の偵察機は八雲の上空で旋回を続けていたけど、鳳翔さんが発艦させた零戦が上昇してくると遁走していった。
すぐにその方角に向けて六機の彩雲を扇状に放つと、艦内は第二種戦闘配備に移行していた。
八雲も増速、転進したけど偵察機が現れた以上は艦載機の行動圏内に入っているのは間違いない。
彩雲が敵艦隊発見の一報を知らせてきたのは、彩雲が飛び立ってから三十分も経たない内だった。
続いて入ってきた詳細によると、向こうはヲ級三隻を含んだ艦隊で軽巡以上の艦種が発見されなかった代わりに二十隻近い数のイ級を従えていた。
そしてすでに敵艦載機が編隊を組みつつあるとの続報も入ってくる。
「こんなに近いなんて……みんな、出撃よ! 私たちが先行して敵を引きつけないと!」
夕張さんが素早く指示を下していくと、私と鳳翔さんに言う。
「鳳翔さんは艦載機を上げたら、このまま八雲に残ってください。大鯨、あなたはいざという時に鳳翔さんとこの艦を守って」
「でも……」
言い淀んだ私を夕張さんは見つめてくる。怒ってるでも憐れむでもなく、まっすぐした力のある目で。
「返事は?」
「……分かりました」
「零戦と稼働できる烈風は全てそちらの援護に回します。ご武運を」
鳳翔さんに夕張さんは力強く笑い返した。
出撃準備を終えると八雲が一時減速し、みんなが次々と艦首から出撃していく。
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