38: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/27(月) 09:31:44.14 ID:x8AHwltW0
爆撃機は右回りに、雷撃機が左回りに挟み打ちにするよう向かってきていた。
どちらにも注意しないといけないのは分かっているけど、爆撃機の方により注意が行ってしまうのが自分で分かる。
空母としては飛行甲板を破壊されたら戦闘力を喪失してしまう。
大鯨でも一度根付いてしまった意識は切り離せていないみたい。
爆撃機の動きをさらに注視してしまうと、龍鳳の記憶と今の記憶が結びついて一つの声が脳裏に響く。
それは時雨ちゃんの声で再生された。
『君の場合、爆撃機に気を取られすぎなんだ。空母だから甲板を守りたいのも分かるけど、雷撃を受けたらそもそもお終いだよ? 甲板が無事でも速度が出なかったら、やっぱり置物じゃないか』
魚雷も爆弾もどっちにだって当たっちゃいけない!
雷撃機はもう低空から侵入してきていた。
軍艦と違って今なら横でも縦でも魚雷に対する面積は誤差のレベルでしかない。それでも雷跡に対して同航する形で回避行動に移った方が避けられる可能性は高くなる。
「太陽の方向から爆撃機!」
鳳翔さんの警告に肩越しに上空の太陽を見上げる。
眩しい。思わず眼を細めて、光の残像が目に焼き付く中に機影が混じっているのを確かに見た。
直撃コースかなんて分からないけど、このまま進むのだけは危ない。
噴進砲を雷撃機に対して放つ。射程は足りてないけど、規定距離で爆散したロケット弾が弾幕を形成する。
雷撃機の姿が隠れてしまうけど、それは向こうも同じはず。敢えて弾幕に飛び込む愚を犯すとは思えず、あの距離からの雷撃なら精度も大幅に甘くなる。
46Res/52.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。