53:フツカヨイ ◆bJCLMRLtrM[saga]
2015/08/01(土) 18:17:14.42 ID:bQbcczqz0
――スラム通り、『Devil may cry』にて
ダンテ「『時の結晶』?」
銀髪碧眼、赤いコートを着た男が、椅子に座りながら白いコートを着た女性に質問する。
彼はダンテ、この事務所の主人であり、デビルハンターである。
彼もまた、人間と悪魔との間に生まれた半魔人である。
話している女性の名前はレディ。癖のある黒髪ショートヘア、顔にはサングラスをしている。
彼とは違い、彼女はただの人間である。
レディ「そう、『古代の魔物達を封印した蒼い球体の結晶で、魔力を帯びたその結晶は、時を巻き戻す力を持つとされている』とか……ホントかどうかは知らないけどね」
ダンテ「Huh、所謂小さなタイムマシンってことか?世の中も進歩したもんだね」
レディ「で、その結晶なんだけど……いくらすると思う?」
ダンテ「……100万ドルとか?」
レディ「ダメ、大外れ!!なんと……100億ドルだって!ねぇすごくない!?」
ダンテ「……で、それがどうしたって言うんだ?」
レディ「探してほしいの、それを」
ダンテ「……はぁ?」
レディ「だ、か、ら、その『時の結晶』を探してほしいの!」
ダンテ「ヤダね」
レディ「どうしてよ!」
ダンテ「だいたいあてがあるのかよ」
レディ「勿論よ……まぁ、あまり好ましい場所じゃないけど」
ダンテ「?」
レディ「……とにかく、さっさとこの依頼を引き受けて、ダンテ」
ダンテはレディの言葉に呆れながら、机の上のピザを頬張る。
ダンテ「フン、俺は金儲けだとか、モグ……宝探しなんかに……クソ、このピザいつもより味が薄いな……モグ」
KNOCCCK!!
レディはダンテの前にある机を思いきり叩く。その衝撃で、置いてあったピザが宙へ舞う。
レディ「……へぇ〜、じゃあ他に、私に借金を返すあてがあるって言うの?」
ダンテ「……」
レディ「行くわよ」
CATCH!!
レディはそういうと、宙を舞っていたピザを1ピースだけ取り、その口に頬張る。
レディ「モグ……代わりにこのピザはおごってあげる」
彼女はそういってダンテに背を向けて事務所の玄関へ歩き出すと、そのままピザの代金をダンテの机に向かって放る。
Flit-Flit……
ひらひらと舞う紙幣は、やがてダンテの机に静かに落ちた。
ダンテ「……最悪のデートになりそうだ」
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