過去ログ - ことり「おばあちゃんな絵里ちゃん」
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2015/07/24(金) 17:42:22.29 ID:H9EWgD6Ho
  
 絵里(変わるのではなく、代わる) 
  
 絵里(全ての人間が『穂乃果に代わった』のだ) 
  
 絵里(……私の記憶にはわずかな欠落があった) 
  
 絵里(合宿を計画した後と病院に居た前の記憶が綺麗さっぱり消えている) 
  
 絵里(つまりはこの現象に至る過程と原因が分からないのだ) 
  
 絵里(流石に喜んでばかりもいられないとようやく気付く) 
  
 絵里(そして、空白の記憶を求めつつ、私は日常を送った) 
  
 絵里(浮かれ気分が残っていたから、真剣さはなかったが、日常を観察することから始めようと思った) 
  
 絵里(1週間、10日、1ヶ月と時間が経過していくほどに、私は事の深刻さを知っていく) 
  
 絵里(気付けば、鬼気迫る勢いで日常の粗を探し始めた。原因を求めた。でも……) 
  
 絵里(調べようとしても、全てが穂乃果に代わったことによって、大きな障害が生まれていた) 
  
 絵里(姿はおろか、人物名、声色まで人に関わるもの全てが穂乃果に置き換えられる) 
  
 絵里(ただ、肉声で述べられる名前のみはその例外だった) 
  
 絵里(妹の亜里沙ですら、その例外と口調で聞き分けなければ、父と母との区別さえできない) 
  
 絵里(肉親ですら、これなのである。知人に至っては細心を払わなければ、絶対に見分けることなど不可能だった) 
  
 絵里(この現象はなんなのだろうか? かつて、これと似た状況のフィクションを読んだことがあるが、あれよりはまだマシなのだろうか?) 
  
 絵里(その主人公のように開き直れれば、大分楽なのかもしれない。もっとも、私はギブアップしたので、そこに可能性は抱いていない) 
  
 絵里(ああ、話がそれた。細心の注意を払って、知人に原因を求めるものの、全てが曖昧に誤魔化される) 
  
 絵里(それがかえって、この現象に至る重要な事実が存在していることを示していた) 
  
  
  
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