過去ログ - 藍子「茜色に染まる帰り道」
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25: ◆8dLnQgHb2qlg[saga]
2015/07/25(土) 01:32:52.01 ID:qmzFL8mx0

 公園を出て、近くの川の堤防の上をプロデューサーさんから少し遅れて歩く。
 もう辺りは一面夕焼けで染まっていた。
 夕暮れは物悲しいけれど、そこも含めてこの景色を眺めながら歩くのが好きだ。

「今日はやけに行き当たりばったりだったな?」

「たまにはそんな気分の日もあるんです。疲れましたか?」

「馬鹿言えまだ二十前半だ。そこまで衰えてないわ」

 私からしたら歳上だけど、まだまだ若いんだったね。

「はい、まだギリギリ前半ですね……でも、私もそこまで若くはないですし……」

 なんとなく、夕日を見ながら呟くようになった。

「おいおい、現役JKがなにを言ってるんだ。菜々さんに殺されても……ってわけでもないみたいだな」

 歩く速度は変わらないまま、プロデューサーさんが隣に並ぶ。

「それで?どうした?」

 ただ一言訊いた後は、黙って足を進める。

「…………今は充実してますし、大学も行きたいところに行けます。でも……将来はどうなんだろうなって。高校の三年間アイドルをやって、また大学の四年間猶予がありますけど……いつまでも続けられるってものでもありませんから。どこかで別のお仕事をしなきゃいけないときは必ず来ますし、卒業するときに就職するのかな、とか──」

「要するに、先が不安になったと」

 プロデューサーさんの言葉に頷く。
 もうそろそろ、どこかで考えておかなければならないことだと思う。



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