過去ログ - [恋姫無双]誰が為の理想[初心者注意]
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11:双子弟 ◆pXfqzUy9mCb3[sage saga]
2015/07/27(月) 17:16:09.06 ID:AxJyH6cP0
――宿を見つけた3人は近くの大衆食堂で遅めの昼食を摂っていた。大通りをぬけ、裏道に入るとどこの都市でも
ありふれた日常の光景が少し違った形で現れる。市場に材料を買いに来る者、路上で遊ぶ子供、酒を浴びるように飲みながら下卑た笑いをして語り合う中年達・・・違うのはその人数の多さだけだ。
そんな、どこでも変わらない光景の外を見ながら遊馬は故郷の襄陽を思い出して酒を飲む。その横顔を誠治は不思議そうに眺めながら肉まんをほおばっている。

「兄貴、どうしたんですか?珍しい顔してますが・・・」
「ん?いや、故郷をちょっと思い出してな。ここほど騒がしい街じゃなかったけど。」
「え〜?遊馬の故郷って聞いたことないけどどこどこ!?もしかして最近はやりの都市少年ってやつ?」

灯里が食事の手を止めて身を乗り出してぐいぐいと質問してくる。一つに縛った長い髪が羹の中に入りそうだ。

「なんだよ都市少年って・・・。俺の故郷は襄陽にあったんだよ。知ってるだろ?」
「ここ最近じゃ南皮と並んで治安がいい地方都市じゃない!?しかも文化と学問の最先端のおまけつき!」
「最近はやりの阿蘇阿蘇とかも襄陽生まれだからな。でまぁ、いろいろあって襄陽を飛び出して放浪してるのさ。」
「いろいろって・・・そこが重要なとこじゃない!そこは語る気無いの?」
「灯里も誠治も俺は昔何やってたか知らんからなぁ、別に知らずとも共に旅はできるだろ。」
「確かにそうだけど・・・誠治はあなたに助けてもらったらしいんだし、ある程度は知ってるんでしょ?なら私も知りたいよ。
 商人に重要なのは情報だっておばあちゃん言ってたし!」
「俺の過去が商売に関係あるわけないだろう・・・ああ、娼館奢ってくれるんならいいぞ。最高級な。」
「仕入れの値段と利益のつり合いって大事よね。つーか、女に奢ってもらってそんなとこ行こうとすんな!」

上手くはぐらかされたことを知りながら灯里は聞くことを諦め、羹を啜る。

「そういや兄貴に姉御、まだ三日あるみたいですけど、どうします?流石に暇してるだけってのもあれですが・・・」
「ん〜・・・俺は張さん所でも言って勉強教えてくるかな。誠治、お前字は書けるけど計算できないだろ?この機会に
 一緒に覚えておけよ。」

この時代、文盲など平民としては珍しくもなんともない。何かを学ぶには教材なり、教師なりが必要だがそんなのを手に入れられる
人間などそう多くはない。又、子供でも労働力に駆り出されるのが普通の時代だ。民衆の多くの親が自らの職に就くのに必要な知識だけ教えて、読み書きなどは教えなかった。当たり前だ、親も解らないのが普通だったのだから。



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