過去ログ - [恋姫無双]誰が為の理想[初心者注意]
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/26(日) 01:45:18.37 ID:qqtJiWaS0
――見渡す限り活気であふれているというのが素直な感想だった。大手門から政庁へとつながる大通りだからだろうが、立派な面構えの煉瓦造りの建物がずらりと並び、為政者の性格を表したかのような豪華さを見せている。これほどの都市は皇帝陛下の御膝元である洛陽くらいしかないのではないか?そう思えるような街並みであった。

行商の一団は既に行先を決めているらしく、慌てて出てきた宿屋の客引きの話に乗ることもなくそのまま進み、一軒の宿屋へと進んでいった。そこは、派手さこそ他に劣るものの敷地が広く、馬車も馬も宿内に置いておけるほどであった。

「うひゃー・・・すごい宿っすねぇ。こんなところに泊まれるなんて運がいいっすね!」

「阿呆。お前、俺らの護衛はここまでだよ。それに、ここには馬を一時つなげとくだけで、張さんたちは自分の商店があるから
 そっちに泊まるんだろうよ。数百頭の規模では店にはつなげて置けないからな。」

「いつかは自分の店につなげられるようにしたいんですがね・・・ま、それはともかく護衛ありがとうございます。」

気が付けば、いつの間にか後ろに手続きを終わらせた馬主の男が近寄ってきて話しかけていた。
恰幅のいい、穏やかな笑顔を常に絶やさない商人特有の笑い方の男だ。

「あ、張さん。むしろ荷物を運んでもらってありがとうございます。自分たちで運ぶには荷馬を借りないといけないかと
 悩んでる最中でしたので助かりましたよ。」

「いえいえ、廖化さんのような信頼できる方に護衛していただけるならばその程度は安いものですよ。
 おお!忘れるところでした。これがその護衛料です、お受け取りください。」

「ありがとうございます。しばらくは私はこの街にいるつもりですので、今度は店にでも遊びに行かせてもらいます。」

「はい、よろしければまた家の丁稚たちに読み書きを教えてくださると助かります。では、私はこれにて失礼させてもらいます。」

言葉丁寧に、張さんと呼ばれた馬主は奉公人とともに去って行った。

「ん〜・・・遊馬ってなんかよく解らないコネがあるよね。旅の道連れだし、知らないのは当然だけどさ。」

「そっすねぇ・・・おいらも濮陽で会った2か月前以前は知らないですし・・・でも、遊馬の兄貴に付いてきて悪いことなかったし
 別に気にしなくてもいいじゃないですかね?灯里の姉御も兄貴を悪人だなんて思ってないでしょ?」

「そりゃそうよ。ただ、あんな人とつながりあるって珍しいと思うけど・・・まいっか。私らも宿探しに行きましょ。」 
「はいです!」

二人は廖化と呼ばれた男に声をかけ、3人で宿を探しに大通りを歩き始めた。
彼らが南皮に来た目的までの時間にはまだ三日ほどの余裕がある。


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