過去ログ - 花陽「お願いします……ここから……っ」窓付き「……」
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◆J56L221nBM
2015/07/26(日) 00:31:05.79 ID:1A7ohbPZo
花陽「―っひぃ!?」
突如、何かに自分の腕を掴まれる。
誰も居なかった筈の部屋。動くものなんて何処にも見当たらなかった筈だ。
……じゃあ、私の腕を掴んでいるこの手は、誰?
謎の手は花陽の腕を掴むと、そのままぐっと力を入れ花陽の足裏を地面に着けさせる。
前進が震えて動けない花陽をベッドまで導き、そのまま座らせた。
花陽「ひ、、あ あああっ……!!」
花陽「ごめんなさいっ!勝手に入ってごめんなさいっ!」
花陽「すぐに出ていきます!だから、だから許して下さいっ!」
花陽「ひっぐ……ごめんなさい……っぇ……!」
遂に恐怖に耐えられなくなり、涙を流してしまった。
泣いて許されるとは思っていない。でも、泣いて謝る事以外に許しを請う事が出来ない。
赤ん坊でも出来る単純明快な方法で、花陽は謎めいたモノに謝り続けた。
「……」
『それ』は何も物言わず、ただじっと花陽が泣き止むのを待っている。
興味はあるが自分から何かしようとは思っていない。そんな思惑が見えるかのようにただじっと花陽を前から見下げる。
花陽「ひっく……うっ……っ」
恐怖から生まれた涙が一頻り出し終わると、花陽は赤くなった瞼をそっと開く。
何もしてこない『それ』が、自分の前でずっと立っている事に疑問を覚えたのか、恐る恐る頭を上げてみた。
花陽「……えっ」
……花陽は自分を立ち上がらせた『それ』をみて、呆気に取られてしまった。
窓付き「……」
花陽「女の……子?」
……助けてくれたのは、怪物でも悪魔でもない。
自分と同じ年頃の身体をした女の子が、無機質な目で花陽を見つめていた。
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