20:名無しNIPPER[ saga]
2015/07/29(水) 17:28:59.99 ID:iBbZOZDx0
 その瞬間、最後の特大花火が夜空を照らした。 
  
 オレンジ色に染まる空の下、二人の影が重なり合った。 
  
  
  
 女「……嬉しいです、こんな素敵な思い出が出来て」ニコ 
  
 男「……僕の言った意味、伝わって良かったです」 
  
 女「ええ、今日は見事な満月ですから」 
  
 男「……え?」 
  
 女「え?」 
  
 男「……あの、月が綺麗ですね、と言うのはですね」ゴニョゴニョ 
  
 女「……まあ、そうなのですか?」 
  
 男「うわぁ……伝わってないのにキスしちゃったよ僕……」 
  
 女「……それでも以心伝心、ですよ」 
  
 男「……あはは」 
  
 女「今日は本当にありがとうございました。もう遅いですし、足元に気を付けてお帰りになって下さい」ペコ 
  
 男「はい、今日の所は帰ります。では」 
  
 男「……また明日」ニコ 
  
 女「……はい、また明日」ニコ 
  
  
  
  
  
  
 女「……はぁ、はぁ……帰ってくれて良かった……」 
  
 女(急に疲れが……もう神社の外に出られない、どころか) 
  
 女(この調子だと……男さんが明日来るまでの時間に間に合わない……) 
  
 女(嫌だ……せっかく……結ばれたのに……!) 
  
 女「神様……どうか……」 
  
 女(……神様が神様にすがるなんて、なんて滑稽なんでしょう) 
  
 女(こんな私だから、消えてしまうんですね……) 
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