21:名無しNIPPER[ saga]
2015/07/29(水) 17:52:37.35 ID:iBbZOZDx0
ザアァアァアアァ……
男「ふわぁ……まだこんな時間か……早起きしたなぁ。通り雨みたいだし、すぐ止むだろう」ピシャッ
男(やっと女さんと両想いになれた……おかげさまでぐっすりだ)ニヤニヤ
男(もう時間は無いけど……それでも)
男「ん……?」
男(よく考えれば、何故女さんは外に出れたのだろう)
男(流れ星が叶えてくれた……としても)
男(あの時の手、何であんなに軽かったんだろう)
男(そんなに都合よく叶えてくれるものなのか……? もし残りの時間を代償に、外に出れたとしたら)
男「……!!」ゾッ
男(一度心に生まれた不安は、夏の入道雲のように膨らんでいき)
男(気が付けば……僕は家を飛び出ていた)
男「くそっ……こんな時に限って雨だ!」
男(女さん……昨日の笑顔、よく思い出せばどこか変だった気がする……)
男(情けない、浮かれるばかりで彼女をちっとも見れていなかったんだ)
男(もっと……もっと速く……!)ダダダダ
バチャッ!!
男「ッ……くそ!!」
男(転んだ数秒が惜しい、立ち上がる数秒が惜しい)
男「ハッ……ハッ……」
男(最後の坂道だ……! 走りきれ……!!)
男「ハッ――女さん!!」
女「男さん……どうして……?」
男「ハァ、ハァ……何となく、急に不安になって」
女「……ああ、気付いてしまいましたか……」
女「お察しの通り、もう時間が無いようです……男さん」
女「最期に素敵なプレゼントをくれてありがとう、孤独を救ってくれてありがとう」
女「貴方がいたから……私は……」ブルブル
男「……震えてますよ」
女「……あんな事を言いましたが、やっぱり怖いみたいです」
女「お恥ずかしいですが……消えるのが……怖い……」
男(……)
『男ならにっこり笑って、安心させてあげなよぉ』
男「……女さん」
男「大丈夫です、女さんは一人じゃないから……誰も知らずに消えたりなんかしません」
女「男、さん……」
男「少なくとも、僕は貴方と過ごした日々をずっと忘れませんよ」
男「だから……笑って下さい、悲しい別れなんかじゃなくて、笑顔でありがとうを言えるように」ニコ
女「……!」
女「……はい……!」ニコ
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