過去ログ - 男「夏の通り雨、神社にて」
1- 20
3:名無しNIPPER[ saga]
2015/07/27(月) 11:44:38.86 ID:/MI56J410
婆「へえぇ、あの神社にねぇ〜」

男「はい、不思議な雰囲気を持つ女性でした」

婆「もしかしたら、神様なのかもしれないよぉ」

男「あはは……」

婆「あながち間違いでも無いと思うけどねぇ」

男「? 何か理由でもあるのですか?」

婆「あすこの神社はね、狐の神様を祭っているんだよぉ」

男「狐の神様」

婆「そう、一風変わった神様でねぇ、狐なのにおいなりさんじゃなくて、甘い物が大好きなのさ」

男「甘党の狐の神様、ですか」

婆「そうとも。ただ、すっかり寂れちゃってねえ。今じゃほとんど人が足を運ばないのよぉ。私も腰が悪いしねぇ……」アタタ

男「ああ、無理はなさらずに」

婆「またあすこに行くってんなら、これおまけしてあげるから、お供えしてくれないかい?」スッ

男「はい。せっかくですし、多めに買って行こうかな」

婆「ありがとさん〜。でも、本当に神様とは限らないよ? 祭りもあるしねぇ」

男「あはは……その時は自分の分が増えるだけですよ」

婆「そりゃいいわな、あっはっはっは!」

男「それじゃ、そろそろ顔を出してみます」

婆「はいよ〜」


男(しかし今日は打って変わって雲一つない快晴だ。熱中症になりそう)

男「っと、道どこだったっけ……来た道、は建物があまり無かったし……もっと先だったかな」

男(……ここだな。ああ、急いでたから気が付かなかったけど、確かに狐の像が。しかし寂れているな)

女「また来てくれたんですね」ニコ

男「! ええ」

男「あの」

女「はい、何でしょう?」

男「神様……ですか?」

女「……え?」

「……」

男(し、しまった! これじゃ完全に変な人だ!)

男「あ、あのですね! 違うんです! あの、おいなりより甘い狐……じゃなくて!」アタフタ

女「」クスッ

女「そうですよ?」

男「狐の神様が好きで……え?」

女「私は狐です。……あら、何だか悪い女みたい」フフ

男「え、ええ……本当に? そんなあっさり……」

女「心の綺麗な方にしか姿を見せませんよ。そんな事よりも、また甘い匂いが」スンスン

男「」ポカーン

男「……はは、何だかしまりがない神様だなあ。今日は和菓子屋のお婆さんから、神様にとおまけを貰いましたよ」

女「やった!」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
36Res/36.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice