6:名無しNIPPER[ saga]
2015/07/28(火) 00:05:02.80 ID:ixm4jMg20
男「あの」
女「何でしょう?」
男「証拠……みたいなのって、ありますか?」
女「まあ、神様ですと言われましても、そう簡単には信じられませんよね。失礼」ポンッ
男(うお、狐の耳が生えた!)
女「……信じていただけましたか?」
男「ええ、そりゃあこんなの見せられたらね。信じざるを得ません」
女「そうですか」パッ
男「ああ、戻すんですね」
女「中途半端な変化は嫌いなのです」
男「へえ……あ、まだありますよ、かるかん饅頭です」
女「わあ。確か山芋をすりおろして混ぜたお菓子ですね」
男「ええ……うん、うまい。ふわふわだ」
女「ふわふわしっとりとした優しい口あたりですね、おいしい」
男「……何だか、神様とお茶をしている実感が湧きません」ハハ
男「何故僕の前に現れたんですか?」
女「……寂しかったから、ですかね」
男「ああ、確かにここは人が……」
女「いえ、そうでは無くて」
女「私――もうすぐ消滅するんです」
男「……!?」
女「この辺りの信仰心が年々減っていて、もう力がほとんど残っていません」
男「え、そんないきなり……」
女「誰の心にも存在しないまま消えてしまうのが嫌だった……ですから、つい此処を訪れた貴方に声をかけてしまったんです」テヘ
男「……何か出来る事は無いんですか?」
女「もう良いんです。これも運命でしょうから」
女「でも、一度だけお祭りに行ってみたかったな……」
男「……」
女「あら、湿っぽい空気にしてしまいましたね。できれば消滅するまでの間、ここで話し相手になってくれたら嬉しいです」
男「お祭り、行けないんですか?」
女「ここから移動出来ませんからね……」
男「……」
男「……何、食べたいんですか?」
女「えっ」
男「せめて買ってきますよ」ニコ
女「……りんご飴とかき氷、です」
男「はい。楽しみにしておいて下さい」
女「はいっ!」ニコ
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