過去ログ - 咲「金髪くんと」京太郎「文学少女ちゃん」
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3: ◆BrPpnaZzMC3Z[sage]
2015/07/28(火) 00:45:21.71 ID:fdC9lNPQo
 

 もちろん姉はからかうつもりなどではなかったはずだ。

 後から思い返せば、姉と電話口で話すたびに彼を話題に挙げていたのだから、以前からの素直な疑問だったのだと推測できる。


『そんなに慌てて否定しなくても……ん? いきなり何でって……だって話を聞いている限りだと、特別仲が良い気がしたから……あ、付き合ってないってことは咲の――――』


 他にも色々言われた気がするが、正直なところ咲はあまり覚えていなかった。

 姉が碌でもないことを言っていた気はするので、精神衛生上の理由で聞き流していたのだろう。

 ともかく、仲が良いという点に関しては否定できなかった。

 確かに、そういう意味では特別だ。

 気のおけないと表現しても差し支えない位の友人だと思う。

 事実、中学で同じクラスになり仲良くなって以来、互いに名前で呼び合っていたし、軽口だって言い合えていた。

 しかし、それだけ。そう、それだけだったはずだ。

 少なくとも咲が認識していた限りにおいて、二人の関係の始まりは男女間の機微などなく単なる友人関係であり、それは高校に入った現在も変わりがないはずだった。

 姉に『付き合ってる?』なんて疑問を投げ掛けられるまでは。

 姉の突拍子もない一言は、咲にとって京太郎との関係性を咲に改めて考えさせるには充分だった。

 以来、気付けば何となく彼を目で追ってしまっていたりする。

 その理由は深く考えないようにしていたけれども、結局そのせいで今日も遊ぶことにいまいち集中できていなかった。

 


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