過去ログ - 【ゆるゆり】櫻子「花子ちんまいな〜」
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18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/28(火) 18:02:38.23 ID:18ATeOwdo
櫻子「花子」

身振り手振りで恥ずかしさを伝える花子を、宥めるように腕で包んだ。
触れた途端に暴れ馬のようだった花子は借りてきた猫のように大人しくなって、私の胸の中で縮こまっている。

そうだよね。妙に納得してしまった。

櫻子「花子ちんまいな〜」

こんな小さいのにあんな賢くなるまで勉強して、散々振り回しても付き合ってくれて、
この前の時の私より一回りも二回りも小さいのに弱音一つも吐かなくて、
なんだろう、上手く言葉が出て来なくなってくるから、せめて一つぐらい伝えないとと思って。

櫻子「花子はさ、凄く頑張ってるよ」

泣きだした花子を見て、ああシャツ着替えなきゃなぁと思った。
特に驚くことも無かったのは、言う前からなんとなくこうなる気がしたから。
それでも妹が泣く姿というのは、見ていて穏やかな気持ちにはなれなくて。
あんまり繰り返し見たくないものに分類されることだった。だから。

櫻子「だからたまには櫻子様に甘えさせてやらんでもない」

花子「なんだし、それ」

顔を上げた花子は、涙まじりの笑顔を浮かべていて、
目線の先にいる私は、五歳下の妹に使う言葉ではないのに、純粋に綺麗だなぁと思った。
散々にまだ子供だと実感したのに、今だけはそう見えなくて、一瞬、抱えているほとんどの感情が引っくり返ったように前後不覚になった。
その中で、一つだけ微かに残った感情のままに、花子の肩に手を添えていた。

花子「櫻子……?」

脈絡のない動作に、困惑しているようだったけど、
強張りは一切伝わって来なくて、微かだった感情が大きく膨らんでいく。
前後不覚になっていた感情が戻った時にはもう遅くて、あまりにも緩やかなブレーキしか踏めなかった。

花子は微動だにぜずに、こちらを見続けている。
このまま動かないで欲しいなと願いながら、花子の唇にキスをした。


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