過去ログ - ハルヒ「IBN5100を探しに行くわよ!」
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777: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:45:00.30 ID:LMzppfs/0
「おまじないを教えてやろう」

俺はキメ顔でそう言った。

「えーっ、おまじない!? どんな、どんな!」

だいたいこの年頃の女の子ってのは、こっくりさんだったり占いだったり少し不思議なことが大好きなのである。

「もし自分が誰かに助けてほしい時、こうやって空に手を伸ばすんだ」

言いながら夏の大三角形の重心めがけて右手を突き出す。いや、垂心くらいかな?

「うんうん!」

熱心に聞き入っている。なんとなく、秘密組織の秘密会議って感じで俺も話しながらワクワクし始めていた。ひみつってのはいいよな。

「そして心の中で、『答えはいつも私の胸に』って唱える。そうすると、異世界への扉が開いて思いが通じるんだ。それで誰かがピンチを助けてくれるんだよ」

受け売りである。俺が自分で発見したものではなく、近所の知らない女の子から半ば無理やり教えられたものだ。

だがそんな嫌々教えられたものをどうしてこの当時の俺が盲目的に信仰していたか、というとだ。

「実は昔、っつってもそんな昔でもないけど、俺、ドブに落っこちたことがあってさ」

このドブというのは側溝のことではない。いわゆる生活用水路だ。当時の俺の体格からすればそれはちょっとしたクレバスである。

「正直、落ちる瞬間死んだと思った。水もほとんど流れてなかったし、すげー高さだったし。それで、とっさにこのおまじないを思い出してさ、空に向かって唱えたんだ。そしたら奇跡的に3針縫っただけで助かった。たぶん、異世界の誰かが助けてくれたんだと思う」

そんな奇跡が実は起きていた。いや、3針も縫ったのだから相当重症だったわけだが。ちなみにこのまじないのことは半年と経たずして記憶からすっかり抜け落ちてしまった。



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